【新企画】第一回シネ漫才「2018年映画を振り返る」VS Massas52【中盤戦】

※こちらは前回の記事の続きです。

 

 前回突如始まったMassas52さんとの対談企画!当初書き起こしが絶対にヤバいことになると思っていたので45分くらいで切り上げるつもりが、ベストテンという題材をそんな短時間で語り切れる筈が無く、あれよこれよと話している間に3時間!睡眠時間を削りながら書けども書けども終わらない書き起こしに嫌気がさし既に第2回以降の開催が危ぶまれているが、今回はTaiyakiのベストテン上位5作品を語り尽くす!

 

Taiyakiのベストテン 第5位〜第1位 

第5位『グリーン・ブック』〜ラジー賞からアカデミー賞へ〜

Massas52:これはあんまり知らないです。どんな映画ですか?

Taiyaki:『グリーン・ブック』はファレリー兄弟っていう僕の大好きな監督がいまして、『メリーに首ったけ』とか

メリーに首ったけ (字幕版)

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Massas52:はいはい、その人たちね

Taiyaki:特にそのお兄さんのピーター・ファレリーが単独で撮った映画で、1960年代の差別がまだアメリカにはびこっていた時代の話で。ヴィゴ・モーテンセン扮するNYのイタリア系のチンピラがいるんですけど、その人がボディガードとして黒人に雇われるんですよ。その黒人というのが音楽家で金持ちで凄い上流階級の出自の人で、その人がアメリカ南部でツアーをするんですけど南部は差別意識が強いから危ないということでヴィゴ・モーテンセンが雇われるんです。もちろん、そのチンピラの人も学がないから最初はいがみ合ってるんですけど。

Massas52:まあそうなるだろうね(笑)

Taiyaki:段々旅を通してお互い仲良くなって…っていう話なんですけど、日本公開も3月なんでどこまで話そうかすごく迷うんですけど(笑)

Massas52アカデミー賞絡み的な感じなんでしょうね

Taiyaki:それも僕は凄い感動しているんですけど、あの下品でエロいコメディーばっかり撮ってたファレリー兄弟(の片割れ)がアカデミー賞候補!?っていう(笑)数年前まで『ムービー43』を撮ってたのに

ムービー43

ムービー43

 

Massas52:あれも大変な映画だったね(笑)あのオムニバスのどれを撮ってるの?

Taiyakiヒュー・ジャックマンの顎にキンタマが生えちゃうやつです。あれ撮ってラジー賞総なめみたいな人がですよ?アカデミー賞ってハル・ベリーの逆みたいで僕は感動しましたよ!*1まだノミネート発表されてないけど

 Massas52:スタローンもそうじゃないですか、ラジー賞常連からの助演男優賞ノミネートみたいな。

Taiyaki:そういう点にも感動したっていうのはあるんですけど、まあそれは舞台背景なんで置いておくとして、『グリーンブック』が凄いのは、保守的なイタリア系のチンピラが多様性とか人に優しくなることについて学んでいき、一方で上流階級の人も、貧しい人の気持ちがわからない人だったんですけど、南部での旅を通して初めて労働者階級の気持ちが分かり、なおかつ二人のロードムービーとしても面白くて、リベラルな東海岸から保守的な南部に移るに連れて風景も変わっていくという。そして主人公がボディガードする黒人が音楽家ということもあって劇中いろんな曲が流れて来るんですけど、音楽映画としても面白くて、もちろん二人のブロマンスもありいろんな映画の要素があって完璧なんじゃないの?というのが『グリーンブック』で面白かったですね。

Massas52:これは普通に観たいですね。

 

第4位『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』〜積み上げたものをぶっ壊して〜※ネタバレあり

Massas52:今年MCUは色々あったじゃないですか。ブラックパンサーもあったし、アントマン&ワスプもあったし。でもインパクトがどうしても…

Taiyaki:これは凄かったですね。いつも電話でMassasさんに愚痴ってますけど、僕はMCUやシネマティック・ユニバースに対して懸念点はあったんですよね。永遠に終わらないものってどうなの?というところとか

Massas52:まあね

Taiyaki:ただ、フェーズ3に入ってからは結構ずっしり残る作品は多かったんですよね

Massas52:今の世代を収束させようという感じがね

Taiyaki:今思い返すとそこの設計がうまく言ってたんだなぁと思いますね。今思い返すと、2017年に見たやつ全部面白かったんですよね。ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー Vol.2』に始まり『スピダーマン:ホームカミング』マイティ・ソー/バトル・ロイヤル』も。フェーズ2の味の薄さに僕はマーベルに対して僕が好きだったマーベルとはちょっと違ってきてるのかなって思ってたんですけど、フェーズ3に入ってから『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカから始まって…今思うと『シビル・ウォー』から始めるっていうのがすでに計算高いんですけどね

 

Massas52:計算半分の、バットマンVSスーパーマン/ジャスティスの誕生』もやるからそれに当てようというのもあったけどね 

Taiyaki:当てられて…

Massas52:…まあ言いたくはないけどマーベルが圧勝してしまうっていう(笑)

Taiyaki:あの時のDCの可哀想な感じね(笑)

Massas52:同じくらいの時期だったよね

Taiyaki:なんなら企画だけだったら『バットマンVSスーパーマン』の方が早いですからね

Massas52:まあ、早ければ良いというものではなかった

Taiyaki:とにかく、『シビル・ウォー』で一回崩壊させてからの、ドクター・ストレンジとか新しいヒーローを足しつつ…

Massas52:だから言うなれば、フェーズ3はずっと『帝国の逆襲』なんだよ。

Taiyaki:ああ!

Massas52:長い『帝国の逆襲』でずっとハラハラしているっていう。まあ、『シビル・ウォー』でピーター・パーカーの台詞としても出てきたけど、『インフィニティ・ウォー』の終わり方を見て「これが完全なる『帝国の逆襲』だったんだな、そしてそれは実は『シビル・ウォー』から始まってたんだな」って思ったんです。

Taiyaki:おおー、なるほどね!いやーだから『インフィニティ・ウォー』の偉いところは、僕がマーベルに対する、色々キャラとかも増えて現代のファンとかもちょっと気持ち悪い感じに…これ言ったらちょっと叩かれそうだけど、現代のマーベルに対する妄信的なファンダムには危機感を覚えていてアメリカ人はマーベルならとりあえず劇場に行くってスタンスなんですよね。マーベルなら叩かないみたいな。

Massas52:一時の『スター・ウォーズ』もそうだったでしょうね

Taiyaki:だけどその積み上げてきたものを全部ぶっ壊す、っていう終わり方に度肝を抜かれましたね。

Massas52:漫画でやってきたことではあるんだけど、ちゃんと実写映画という質量を伴ったものでやるという、そこがトンデモないっていう

Taiyaki:『スター・ウォーズ』もそうですけど、僕がなんでシェアード・ユニバースとかに懸念点を抱くかっていう一因に、俳優の命っていうのは有限だというのがあるんですよ。

Massas52:はいはい

Taiyaki:だから僕は『ローグ・ワン』みたいにCGで蘇ったピーター・カッシングみたいなことはして欲しくないんですよ。でもMCUとかディズニーは永遠に作るとか言ってますけど、俳優やスタッフ、背景にいる人たちの才能っていうのは、無限にあるものじゃないんだ、っていうことを理解して欲しいんですよ、ディズニーには。 

Massas52:言いたいことは分かるんだけど、でもマーベルは結構分かってそうだけどね。

Taiyaki:っていうのは『インフィニティ・ウォー』で感じましたね。そこはちょっと僕の認識が間違ってたのかな、というのは思いました。

Massas52:アメコミをずっとやってる会社っていうのは、アメコミ作品のタイトルは同じでも、ライターが変わったり絵を描く人が変わったりしていくものなので、そこで同じキャラクターのシリーズであっても個性が変わって行く、ということをずっとやってきた人たちな訳だから、それが映画になっても同じように捉えているんだろうな、っていうのは思うね。そこでちゃんと世代を変えるだったり、どこかでリブートするだったり、そういう感覚を映画界に持ち込もうとしているのかな、っていうのは感じるところかな。

Taiyaki:いかにケヴィン・ファイギがプロデューサーとして優れてるかっていうのが出てましたよね。

Massas52:やっぱ映画畑の人がアメコミを映画化しようとしてたのと、ちょっと変わってきたところというかね。今後ドラマ作りすぎになるんじゃないか問題というのはあるんだけども

Taiyaki:結局だから僕が嫌だった頃に戻って行くんじゃないかっていうのはあるんですけど(笑)すでにディズニー配信サービスのDisney+で各キャラクターのドラマ制作が決まってますけど、そういうのになってくると違うんじゃないかな、って僕は思います。

Massas52:追う側がしんどいっていうのはあるよね

Taiyaki:これ確か高橋ヨシキがメルマガで書いていたことなんですけど、ドラッグの売人と中毒者の関係と一緒なんですよね

Massas52ツイッターでよく回ってくる「気持ちよくなるサイクル」みたいなミームがあるじゃん。囲い込みサービスで「この中で観れるコンテンツだけ提供します」ってやりだしたらいよいよだな、って感じはちょっとする。

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Taiyaki:そうそう、アレと一緒なんですよ!高橋ヨシキが言ってましたけど、ドラッグやってる人は止められないんでしょうがないじゃないですか。一番悪いのはプッシャーというか、それを与え続ける売人の方なんですよね。ドラッグ中毒者がドラッグやりたいって知っているのを良いことに、お金とってドラッグを与え続けて自分の中にお金が回ってくるサイクルを確保するのがドラッグビジネスですけど、同じことをディズニーはマーベルと『スター・ウォーズ』でやってて、それは不健康だっていうのを高橋ヨシキがメルマガで書いていて、僕もそれには同意しますね。という危機感を持って次行きますか。

 

第3位『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』〜トムの尊さを皆噛みしめるべし!〜

Taiyaki:いよいよ第3位に入ってきましたけど。

Massas52:これは本当にどうかしてるよね(笑)

Taiyaki:私事ですけど、この映画を見たときは僕はカナダに出張中だったんですよ。とある仕事でスカイダイビングをする撮影に同行していまして。カメラマンが頭にGoProを着けて先に飛んで、そのあとに役者が飛ぶっていう撮影だったんですけど、多分スカイダイビングの撮影って全部そうなっているんですよ。その映像を観ていたんで、『フォールアウト』のHALOシーンを観て僕は「本当に飛んでるじゃん!」ってめちゃくちゃ驚いたんですよ。

Massas52:わはは

Taiyaki:もちろん規模感とか全然違うんですけど、映像の感じとかから実際にカメラマンとトム・クルーズが飛んで撮っているというのが分かるんですよ。

Massas52:ゴマカシがないというのがね。

Taiyaki:「これマジで飛んでるやんけ!」ってところから『フォールアウト』は始まって、そこからはもう怒涛の連続でしたね。

Massas52:作り方もどうかしている領域に入ってきたじゃないですか。トム・クルーズジャッキー・チェン化しているというのは色々言われていますけど、段々勝新太郎っぽくなってきたな(笑)本当に思いついたまま撮る映画人になってきたなという。まあ、それができる自由を得たということなんでしょうけど。

Taiyaki:観終わったあとに、これどうやって撮ってるの?と思って制作背景を調べたんですけど、撮影した順番が最初ヘリコプター、次がロンドンでトム走りやって骨折って中止になって(笑)で、最後にHALOジャンプ撮ってるんですよ。だから本当に結末から撮っているという(笑)多分トムの中で「俺これやりたい!」という、あの正気の沙汰じゃないヘリコプターのシーン

Massas52:まあ、あのシーンは必要だからね(笑)

Taiyaki:あれを自分で操縦するというのを先に撮って、「あれ、これに繋げるためにはどうしたら良いんだろう?」ってなって、まあとりあえずヘンリー・カビル逃すか、と(笑)で、そこ撮って、「あれ、じゃあヘンリー・カビルを逃すためにはどうするかな

?」ってなって、「じゃあとりあえず、最初は見たかってことで良いんじゃない?」っていう風に後ろから撮ってて、だから繋がってはいるけど、「なんの話なの?」っていう違和感はだから出来たんじゃないかな

Massas52:だから香港映画的なんだよね

Taiyaki:脚本をその場で書いている

Massas52:そうそう、見せ場重視っていうかね

Taiyaki:僕が3位っていうこの高順位に載せたのは、アメリカ人の間でトム・クルーズを下に見てる感、っていうのがあると思うんですよね。

Massas52:存在が大きすぎるから、小馬鹿にされがちというのはあるよね。

Taiyaki:多分サイエントロジーとかスキャンダルのせいなんでしょうけど

Massas52:それもあるかな、そういえばそうだな

Taiyaki:で、見もしないで「どうせあれでしょ?バカみたいなアクション映画出てるんでしょ?」とか皆思ってると思うんですよ。で、トムの方も『ザ・マミー/呪われた砂漠の王女』とか出ちゃうから。

Massas52:そういうバカなやつもやってるから(笑)

Taiyaki:「だけどお前ら、どんだけ今トム・クルーズが映画界にとってすごいことをしているのかわかってるのか!?」という、啓蒙の意味も込めて第3位ですね。

Massas52:それはでも大事ですよ。やっぱ全世界向けにやれている人なわけじゃん、トムにせよ、ジャッキーにせよ。地元で軽んじられがちというのはあるんじゃない?ジャッキーもあんまり香港だと…っていうのもあるし。

Taiyaki:あ、そうなんですね。

Massas52:それは中国の関係性というのもあるんだけど。ジャッキーは中国と仲良いから、香港だと中々…

Taiyaki:まあ、確かに。香港じゃないですけど、中国人の友達とかにジャッキー・チェンの話をしても反応は薄いですね。

Massas52:祖国に背を向けている感があるんだけど、トムもそうだけど世界では評価されるけど自国だと色んな見方が出てきちゃうから、っていうのはあるのかもしれない。だから啓蒙は意外と大事なんじゃない?

Taiyaki:そうですね。だから僕はどんだけトム・クルーズが偉いのか、っていうのをアメリカ人を正座させて啓蒙して行きたいと思います!

Massas52:とか、ダークユニバースの件もね

Taiyaki:それは許してあげてよ〜『ザ・マミー』は飛行機のシーンをトムがやったのは尊いでいいじゃないですか!

 

 

第2位『カメラを止めるな!』~負け犬再生の物語~※ネタバレあり

Massas52:年内にちゃんと観れたんですね

Taiyaki:観ましたよ!Blu-ray発売決定発表された瞬間にアマゾンで予約して、届いた週のうちには観て。確か観始めたのが夜の1:00くらいで次の日全然仕事あるって状態でしたけど、寝落ちするかなって思いましたけどもう面白くて面白くて。それどころか興奮して目が覚めちゃってそのあとメイキングまで見ましたからね。

Massas52:面白いでしょやっぱ。僕もメイキング見たいですよ。

Taiyaki:僕も映像業界の端くれですけども、観てて色んなあるあるはあるんですよね。でも一番最初の「これは俺の映画なんだよ!」という台詞から、映画全体のメッセージがつけられてるじゃないですか。そこにグッときたというのはあって。で、もうネタバレしちゃいますけど、ワンカット部分が終わって、後半の「実はこうなってました」っていう部分。このブログでも書きましたけど、僕が一番感動したのは構造って部分じゃなくて、負け犬だったやつらの再生話として映画本編は感動したんですけど。

Massas52:うん

Taiyaki:でもメイキングみると、ワークショップに集められた人たちの暗いどうしようもない感じがあって、「僕はこの映画に出て人生が変われば良いなって思ってます…」みたいなことを皆言うんですよ。その人たちが一生懸命稽古とか重ねて、頑張って本番のトラブルを乗り越えて作って…って言う過程をメイキングで見てて、本当にリアルでも負け犬が立ち上がるって言う話だったんだ、ってところにメイキングで僕は号泣しましたよ!

Massas52『ロッキー』的な側面がちゃんとある映画だったんだな

Taiyaki:どうでした?やっぱり日本での盛り上がりっていうのは?

Massas52:あーそうね、普段全然映画を観ない人でも観るくらいの広まりを見せてたんで、本当にヒットしたんだなって感じでしたよ

Taiyaki:何回見ました?

Massas52:いや、俺も結局1回しか観れてない

Taiyaki:行った劇場の雰囲気とかは?

Massas52:雰囲気的には前半から笑う人が結構いるんで、リピーターがそれなりにいるんだろうな感も凄かったね。前半はね、初見だとあんまり笑うポイントじゃないだろうから

Taiyaki:あれは初見の時から笑いましたけどね、「ちょっと…」「いやちょっとってなんだ!」の下り(笑)明らかになんかあるだろ!って感じで笑いましたけどね

Massas52:そういうところはあるけどね(笑)まあでも劇場っぽいというか、結構大きめの400席くらいのスクリーンで観たんだけど、小劇場的な一体感はあった。ちゃんと笑うところでは笑う感じがあった。舞台を見ているかのようなグルーヴ感は生まれてたんで物凄い勢いもあるし、マニアックにしようと思うとやっぱゾンビっていう題材もあるから入りがちだと思うんですけど、そういうところが無くてそこが受け入れられたんじゃないかな、って気がします。

Taiyaki:あと『カメラを止めるな!』を観て偉いな、と思ったのは、台詞で一切何も説明していないですよね。

Massas52:ああ、そうね、説明は確かにね

Taiyaki:例えば、監督が最初「俺こんな企画撮らないよ」とか言ってたのに、娘が好きな俳優が出てるのを知って決意するくだりとか、映像で全部見せていって…。下手くそな映画だったら絶対に「娘のために撮ろうと思って」みたいなことを言わせますけど、そういうダサい会話台詞が出てこないのは偉い!と思いましたね。

Massas52:それはある。すごいスッキリまとまってるもんね。余計な部分がない。

Taiyaki:あと、意外と小さい伏線とかも結構貼られているんですよ。マオちゃんが子供に「私昔バスケ部だったんだけど…」って語りかけてて、それで後々マオちゃんが生首のプロップを投げる時ちゃんと女バスのボスハンだったんですよ(笑)そういう小さいと事も回収していて、あと目薬に込められた意味みたいなのも、ああいう小道具の使い方を取っても全部上手かったですね。

Massas52:確かに面白かったですよ。きめ細やかで、そういうところでもあまりツッコミどころが無く、というかね。筋が通ってるところがね。ちゃんと積み重ね積み重ねでやってるから面白い。

Taiyaki:唯一のツッコミどころは、ゾンビチャンネルなんかねーよ!

Massas52:そこだけ一体どこの国の話なんだよっていう、どんだけゾンビが受け入れられた市場なんだ(笑)日本だとゾンビチャンネルより先にサメチャンネルができる

Taiyaki:あっはっは、じゃあ僕も作ろうかな、カメラを止めるな!』のサメ版!

 

第1位『クレイジー・リッチ!』〜ハリウッドにしか作れないアジア系映画〜

Taiyaki:そして僕の1位は『クレイジー・リッチ!

Massas52:いいですね、これは

Taiyaki:あ、いいですか?意外性とかないですか?

Massas52:意外性はないけど…(笑)まあ、結構前から推してたからね

Taiyaki:まあそうですね…僕の日系アメリカ人の同僚がいたんですけど、その人が「この映画の出来よりも、私この映画のことが好きかもしれない」って言ってて、僕完全にそれなんですよね。実際のこの映画の完成度よりも、僕この映画のことを愛してる。

Massas52:やっぱりそういう存在なんでしょ、この映画って。

Taiyaki:これも何回も言ったり書いたりしてる話ですけど、火曜日の夜タイムズスクエアの劇場で、「こんなに大きいスクリーンに当てる!?」ってくらいのめちゃくちゃ人が入ってるスクリーンで、ドッカンドッカン受けて、皆手叩いて笑ってるのを観てるだけで僕は泣きましたからね。多幸感で。

Massas52:そこが今までない光景だ、っていうのは絶対あるよね。

Taiyaki:のみならず、映画としてのテーマっていうのも素晴らしくて、アジア系映画って言われてますけど、中国日本じゃできない恋愛映画でしたよね。ああいいうルーツと戦う物語になったのは、アメリカ人ならではの視点だと思いましたし、あくまでハリウッドが作ったアジア人映画なんだな、と思いましたよ。

Massas52:そこはそうだよ、絶対

Taiyaki:どうですか、Massasさんの『クレイジー・リッチ!』評など?

Massas52:そんなに改まって言われても…(笑)でもアメリカで凄い受けるのはやっぱりそこなんですよね。僕も全然普通の一本の映画として楽しんだし、そういう意義があるというのは分かった上で、別にベストに入れるとまでは気に入ったわけではなかったんですけど、今言ってもらった面が良いとするところもあれば、当然ハリウッド的な筋書きなんで、観た事ある話だな、で終わっちゃう人には終わっちゃうんだろうな。そこが色々評価が分かれるところなんだろうな。

Taiyaki:それは確かに…。だから僕この映画ハマらなかったって人の気持ちもわかるっちゃ分かるんですよね。僕の母親なんかもそうなんですけど、母親も『クレイジー・リッチ!』を観て「ニックのお母さんが全部正しい!」つって(笑)「あんた結婚するときは親の意見を聞きなさいよ!」って言われたんですけど

Massas52:それは純粋だよね(笑)純粋に筋書きとしてそこに目がいくっていう。ちゃんと自分の立場として観てるっていう。

Taiyaki:まあそうですね。だから僕は『クレイジー・リッチ!』は凄い好きなんですけど、あんま母親とは話したくない…

Massas52:「うるせー」と(笑)

Taiyaki:「そこじゃない!」と(笑)あと、僕が結婚した人をちゃんと紹介するかはわからないし、どこの国の人かは保証せんからな!

Massas52:確かにそういう状況ですからね

Taiyaki:あと、自分が単純に今アメリカでマイノリティっていう状況もありますね

Massas52:それはあるでしょ確実に

Taiyaki:ビザ取得してるだけの身なんで、マイノリティーって言っていいのかわかりませんけどね。まあでも、そういった面でも『クレイジー・リッチ!』はすごく応援したくなりますし、あと今年『search/サーチ』とかNetflix『好きだった君へのラブレター』も観ましたけど、アジア系が主役の年だったなと思いましたね。

Massas52:その印象はやっぱ強くて、今までのハリウッドに台頭するアジア人って個々が出ていくパターンが多かったと思うんですよ。最初は…まあ最初っていうとあれだけど、まずブルース・リーがいてジャッキー・チェンがいて、っていうのって個々での進出はあったけど、アジア人全体っていう感じはなんか新しいな。

Taiyaki:そうですね、今まではアジア人が、っていうよりは、ブルース・リーが、っていう感じでしたよね

Massas52:そうそう、今まではブルース・リーを観にいくだったのが、『クレイジー・リッチ!』は別に突出したスターがいるって感じではないじゃないですか

Taiyaki:まあ、主役のコンスタンス・ウーが『フアン家のアメリカ開拓期』の人ってことを差し置いても、集客のある人はいないですよね。

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Massas52:そこがやっぱり、アジア系だから別に興味ない、ってならない状況になったのかな。少なくとも去年はそういう状況にできてたから、このままこういう流れで行ってくれるといいよなっていうのはあります。

Taiyaki:ディズニーもこれから『ムーラン』とかやるみたいですけどね。あ、そうそうそうそう!『クレイジー・リッチ!』でもう一つ言いたかったのは、何が何でもオークワフィーナ!

Massas52:あ、そうだね

Taiyaki:僕はもうオークワフィーナの大ファンになっちゃいまして。オーシャンズ8』の時から面白すぎてこの人ヤバい!ってなったんですよ。『オーシャンズ8』もオークワフィーナ出るシーンは劇場大爆笑で。僕は『オーシャンズ8』も大好きですけども


 Massas52:『オーシャンズ8』の中でも一番面白い存在ではあったね

Taiyaki:で、その頃『クレイジー・リッチ!』の予告編が映画館で流れてて、正直『Crazy Rich Asian』ってバカみたいなタイトルだな思ってたんですけど(笑)その予告編で観たときもオークワフィーナがやっぱ超印象に残ってて、この人来てる!と思ってたら本当に大スターになりましたね。

Massas52:だから『クレイジー・リッチ!』自体はアジア人中心っていう映画で一枚キッチュな面っていうのがあったと思うんですけど、そこで行くと『オーシャンズ8』は一キャストとして普通にアジア人がいるっていう感じがあるから、それもそれで意義深いというか。ちゃんとしたそういう主要なところでの活躍の場がハリウッド映画全体的にも増えたよな、っていう気はする

Taiyaki:あと前のオーシャンズ11シリーズが一人だけ中国人がいて

オーシャンズ11 (字幕版)
 

Massas52:あれがまさにその飛び道具的な扱いだったから

Taiyaki:あれはだって台詞も与えられてませんでしたし、あれこそ変な役でしたけど、オークワフィーナはちゃんとNYのアジア系として描かれていたのは良かったですしね。

Massas52:そこがしっかりとしてたね

Taiyaki:実際オークワフィーナは僕の近所出身で、今はブルックリンの方に住んでるんですけど。彼女のインスタグラムもフォローして彼女のストーリーとか見るとガンガンNYにいるんで、僕いつか鉢合わせないかなって密かな期待を抱いているんですけど(笑)あったら何言おうかな…

Massas52:知らねーよ!

Taiyaki:そんなところで、お次はようやくMassasさんのベストテンに行きますか!

 

【次回更新の終盤戦に続く】

*1:ハル・ベリーは2001年に『チョコレート』でアカデミー賞主演女優賞受賞したのち、2004年に『キャットウーマン』でラジー賞最低主演女優賞を受賞。その際、オスカーのスピーチのパロディをした