手続きをミスってマルコメになったMalcom君の話

 今日は婚約者の友人カップルと昼食を食べてきた。彼女の方は日本人とニュージーランド人とのハーフで、彼の方は日本人とオーストラリア人とのハーフであり、二人ともハーフのカップルだ。二人は長らく二重国籍だったが、それぞれ仕事や奨学金の都合で国籍を絞る必要があり、日本国籍を外したそうだ。

 

 彼の苗字は元々「春山」だが、役所の書類の苗字欄に「春山」と書いたらダメだと突っ返されてしまった。というのも、外国籍になったので今後は法的な書類に「春山」という苗字は使えず、一々「Haruyama」とアルファベット表記じゃないと許されないのだ。まあ、国籍を変更したから仕方ないのかもしれないけれど、それでも僕が彼だったらアイデンティティを勝手に奪われた気がして複雑な気持ちになるな。

 

 これは僕の婚約者の話だが、彼女は台湾国籍だけど書類上は漢字じゃなくてアルファベットが法的に正しい名前になる。昨年、某大手クレジットカードを申請したが、ウェブ上のフォームではアルファベット表記が許されず、しかたなくカタカナ表記で申請した。後日、クレジットカードを書留で配達されたが、配達員に身分証明書を求められたところ、身分証にはアルファベット表記しか書かれておらず、カタカナの宛先人とは「別人」とされてしまい、カードを渡してもらえなかったのだ。なんてバカな話なんだ!どうせカードはアルファベット表記じゃん!

 

 これはまた、別の友人の話だが、先日その友人が新しい彼氏のマルコムくんを紹介してもらった。しかし、マルコムくん、日本での法的な名前は「マルコメくん」だそうだ。というのも、来日したての頃カタカナ表記の登録を行った際、まだカタカナもおぼつかなかったので「マルコメ」と書いてしまったそうだ。なので、彼の日本国内における合法的な名前は「マルコメ」くんとなってしまった。

 

 いずれも笑い話として聞いていたけど、日本語にはローマ字・漢字・カタカナと表記法が色々ありすぎて、日本に暮らす外国籍の人には様々な不便を強いてしまっている。もちろん、日本語という言語や言葉そのものが悪いのではなく、行政や企業がもっと包括的なシステムを作れないのかね。

 

 ちなみに、我が家でよく使う味噌はマルコメのこちらの味噌である。

 



2023年1月9日以降に観た映画リスト

 最近、特に忙しくはないんですけど、なんとなくTwitterに映画の感想を書くのが滞ってしまっていて、しかしそこそこ映画は観ているので、記憶の彼方に埋もれてしまわないうちに備忘録としてとりあえずリストと星取りだけ残します。

 

 

 ちなみになんですけど、パソコンで観る気がしなくて今まで無駄にお金だけ払っていたHBO MAXやParamount+でしたが、遂に家のApple TVでVPN接続する方法をついに学びました。ので、かつてアメリカに住んでいた頃のこのブログのアイデンティティだったように、今年はもっと日本未公開映画を大々的にフィーチャーしていきたいと思っています!とりあえず、早くこれらの映画の感想を残さないといけない…。

 

 

 

 

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス

 あー嫌だ嫌だ!と思いながら、大嫌いな年始の風物詩である確定申告を今日から始めてみました。毎年締め切りギリギリでやっていたんですけど、いつも時間に追われてヒーコラやるのは得策ではないと今更気付いたので、早めにスタートしたわけです。

 

 で、マイナポータルで確定申告が簡単になると聞いたんですけど、全くそんなことはなく、あっちこっち色んなページを飛ばされたり、さっきログインしたはずなのにまたマイナンバーカードをわざわざ読み込んでログインする必要があったり、エラーが起きたら戻れずページを閉じてまた最初からやり直さなきゃいけなかったり、イライラ指数マックスで脳の血管が破裂してしまいそうです。

 

 なお、3月日本公開のA24の映画『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』を先月一足先に観まして、「マルチバース」というコンセプトばかり取り沙汰されていますが、あれも実は確定申告についての映画でした。フリーランスとしては自営業者の領収書を集める悲哀がリアルで笑えた(笑えない)のですが、それにしても、こう、なんとかなりませんかねぇ!

 

 

タコパ!

 タコパって言ったら、タコパフェよ〜ん!と言ったのは、Mr.2 ボン・クレーだったかと思いますが、本日はNY時代の元同僚達と、そして日本に帰国後知り合った友人たちを我が家に招いてたこ焼きパーティーをしました。それぞれ面識がなくとも、不思議なことに誰かが誰かの知り合いであったり、全員遠い縁で結ばれていて、感慨深いものがありましたね。

 

 何が言いたいかというと、酔っているのでもう寝ます。またかよ!

あんまりナメるなよ!

 iPhoneYouTubeTikTokは偉大な発明だとは思っている。映像作りを民主化したのだ。これまで職人が何百万やウン千万円するシネマカメラでしか撮れず、映画館やテレビでしか流せなかった映像を、誰でも楽しんで作って公開できるように解放した。

 

 一方で、映像作りというものがグッと身近になったことで、「映像なんて誰でも簡単に作れるでしょ!」という誤解を多くの人に与えてしまったのも事実だろう。もっと正確にいうならば、「高品質の」映像は誰にでも撮れるものではない。スマホのカメラは映像用に作られたカメラを超えることは一生ないし、YouTuberやTikTokerの誰もが映画やテレビ番組を撮れると思ったら大間違いだ。

 

 僕の考え方は保守的かもしれないが、そのために専門学校や映画学部はあると思っているし、同じ業界人として勿論映画職人やテレビスタッフには多少なりともリスペクトがあるので、心からそう信じている。短くない人生の中で、それなりに勉強や時間、お金を投資してその仕事をしているからこそプロなのだ。

 

 といっても僕なんかはまだまだペーペーで、床を這いつくばりながら頑張っているが、それでも映像クリエイターとしての矜持はある。映像業界に明るくない人から映像制作業務の依頼を受ける時、こちらの見積もりを伝えると「思っていた予算感と違う…」と半分どころか1/10くらいの金額を提示されて頭を抱えることが何度もある。ほんと、映像屋を暇人かお人好しだと思っているんだろうか?

 

 Twitterでも愚痴ったが、今日久々にMVの制作依頼が来たので話を聞こうと思ったら、約束の時間には現れず、やっと来たと思ったら謝罪の言葉も一切なく、開口一発目に「無料で作ってくれるんですよね!?」とヘラヘラタバコ吸いながら聞かれ、この時点でもう既に依頼を断る気満々の顔を察せられたのか、最後に「お金かけられずに出来たらSNSで拡散するんで!お互いにメリットはあるかと!」と言われ、本当にアホかとほとほと呆れてしまった。

 

 そのお方は駆け出し中のアーティストなのだが、僕が「無料で曲作ってくれますよね!?」と聞いたらどんな気持ちをするのだろうか。もうあまりにも無礼な依頼を、ジャンルは違えども同じクリエイターの人から頼まれて久々に頭にきてしまった。別にギャラを払って欲しいとはちっとも思っちゃいないが、金がないなら少なくともリスペクトはもって接して欲しい。

 

 皆さんも、映像でも音楽でもイラストレーターでも誰でもいいですが、もし知人にそういう人がいて何かを頼みたいときは、ちゃんとプロとして敬意を持って接してあげてくださいね!プンスカ!