フリーランスにとっての時間とお金

 今週やっている夜勤の仕事が辛い。人間関係が辛いとか、パワハラが辛いわけではないのだが、やりがいが全くない。放送の仕事なのだが、単純作業に近く、時間帯は深夜か早朝で、ギャラはかなり低い。定期的に同業務を受けているのだが、クライアントは僕が日本から帰ってきてコロナ禍も仕事をくれていたので大変恩義を感じており、それでこの仕事も毎回請け負っているのだが、モチベーションが全くと言っていいほどない。

 

 なぜやる気が生まれないか考えると、時間が果てしなく勿体無いからだ。僕が本業としている映像仕事と無関係ではないが、放送なので畑が異なり、他の分野で活かせないニッチな作業を繰り返すだけで学びが何もない。また、僕のスキルが全く活かされていない仕事という点も辛い。いつも翻訳とか、編集とか僕にしかできない仕事をオファーしてくれるのに、どうしてこの単純作業にアサインされるのか全く分からない。これでギャラが高ければ…というところなのだけれども、学生バイト並みに安く、30を超えて受ける仕事ではない。お世話になっているクライアントではあるのだけれども、だからこそ単純な労働力としてしか見られていないことに憤りも感じる。

 

 こういう風に考えられるようになったのも、自分が無一文で日本に帰ってきてから3年、フリーランスとしてようやく軌道に乗ってきたからだろう。今までは来た仕事は拒まないというスタイルでなんでも受けてきたが、もう30も超えてなんとなく時間の有限性というのも分かってきた。同じ時間を過ごすなら、お小遣い程度のために働くよりも、より自分の能力を伸ばせる経験が得られる投資と捉えられるような仕事がしたい。

 

 と書いたところで、僕の日本人としての根っこの部分が「いや〜自分なんて大したことないですよ〜」などと謙遜し、お客様第一主義でクライアントの要求を無条件で全て飲んでしまう。言うのは易しなんだよな〜。フリーランスは難しいよ…。ということで、今夜も働いてきます。

 

 

1日にワクチン4回打って、そのまま夜勤に行った

 実は来月から仕事でアフリカに3週間ほど行く予定なのだが、それに合わせて黄熱病のワクチンを受けてこい、という事で、病院に行ってきたっす。

 

 仕事先から言われたのは黄熱病だけだったのだが、医者に行く地域を話すとA型肝炎やら腸チフスやら狂犬病やら水痘やらも打った方がいいと言われ、話を聞く限り末恐ろしいので、オススメされるままに全てのワクチンを打つことにした。とりあえず今日は左右の肩に一つずつ、そして左右の腕に一つずつで計4ショット。事務的に次々と針を刺され、注射が嫌いで狭い診察室内を逃げ回っていた幼少期の自分を遠い目で思い出していた。

 

 こういったワクチンは保険証が効かず、全て自費。会計時に5万円以上請求されて注射のショックよりも心臓に悪かった。もちろん、黄熱病の予防接種は仕事先が負担してくれるが、その他のワクチンは自分の判断で打ったので、降りるか分からず…。

 

 これで終わりではなく、いくつかのワクチンは2回、3回と打たないといけない。マラリアの予防薬も購入する必要があるが、なんと1錠500円もする錠剤をアフリカ渡航期間中はもちろん、日本に帰ってからも潜伏期間に備えて数週間飲む必要があるという。仕事先に相談はするが、予算が厳しくて自己負担になっても命には変えられないからね…。

 

 帰り道、ワクチン陰謀論ツイートを見かけて、思わず鼻で笑ってしまった。なんたって僕は1日で4回もワクチンを打ったんだぞ?*1陰謀論者から見たら僕は愚の骨頂なんだろうが、この人たちがアフリカに行くとしたらワクチンは死んでも打たないんだろうか。

 

 家に帰ったら、そのまま名残惜しく『ティアキン』をした。何と言ったって、今夜から5日間夜間の仕事が入っている。その裏で実は別件の編集仕事もしているし、アフリカ仕事の仕込み作業もしないといけない。ワクチンで倒れられるなら、今倒れたいな!(『ティアキン』をやっている場合ではないことは触れないでください)

 



*1:ちなみに、僕は新型コロナのワクチンもしっかり4回打ってるし、去年はインフルワクチンも打った。最強の免疫だな!

『ティアキン』ヤバい

 『ティアーズ・オブ・ザ・キングダム』がヤバい。今は仕事が入ってて特に暇でもないのだけれども、仕事の合間にできた隙間時間は全て『ティアキン』に費やしてしまっている。終わりが見えないのが末恐ろしく、また終わらせたくない自分がいるのも恐ろしい。申し訳ないけど映画を観ている暇もない。このまま廃人になってしまいそうだ…。

 

 

 

カチンコ切るのは誰?

 僕はカチンコが苦手だ。カチンコとは編集で映像と音をシンクロしやすくするために、現場でカメラが回った後に「カッチン」と鳴らすアレである。

 

 去年短編映画の現場に助監督として参加し、見様見真似でカチンコ切ったらスタッフに「遅い!」と怒鳴られた。 僕はまともに映画学校も行っていないし、日本の現場で助監督として経験を積んでいないので、カチンコを教えてもらってもいなければ知らなかった。フィルム時代の名残で、高価なフィルムがもったいないのでカチンコはなるべく1フレーム以内に収まるように切り、素早く撤収するのが大事だそうだ。*1

 

 その現場自体辛かったし、心を折られるくらい嫌な思い出しかないので「もう邦画の現場に行くもんか!」と固く決心した瞬間であった。以来、僕はADとして参加する時はなるべくバイリンガルの案件しか受けないようにしていて、あれからカチンコを扱っていない。実は、日本と海外ではカチンコを切るスタッフが違う。日本ではサードまたはフォース助監督という演出部の一員が切っているが、海外では2nd ACというカメラアシスタントが切っているのだ。

 

 英語の映像になってしまうが、2nd ACの役割は以下に詳しい。カチンコを切るほか、機材の積み下ろしやセッティング、映像メディアやバッテリーの管理、役者の立ち位置をバミったりする仕事で、これもまた日本の「セカンド撮影助手」とは大きく役割が違う。

 

 なんで急にこんな話を書き始めたかというと、実は先日ADとして参加した現場で、撮影規模が小さくて2ndACがコールシート*2に書かれていなかった。「ということは、僕がカチンコ切るの…?」と緊張し、自前のクラッパーボードまで持って行って撮影監督(DP)に聞いたら、この現場ではタイムコードで音声を読み込んでいるので、カチンコはいらない*3とのこと。思わず安堵のため息をついたら、意地悪そうに笑うプロデューサーとDPが「せっかくだし、カチンコ切る?」と勧めてきた。いや、切らないよ!と無茶振りを断れるのもいい現場の印だね!

*1:よくよく考えたら今の時代デジタルなので、遅いからって怒鳴るのはかなり理不尽である

*2:

 

*3:よくハリウッド映画のメイキングなどでもデジタル時計が流れるカチンコを見かけると思うが、あれも実はカチンコを切ることでスイッチとなってタイムコードを記録しているのだ。つまり、今は映像と音声を同期するためというより、タイムコードを記録するためにカチンコを切っている。もうひとつついでに言うと、日本のカチンコは黒板でできていてダサい。

またしくじった!

 まーた昨日更新できませんでしたの言い訳で、いい加減にしろ!と読者の皆さんからお叱りを受けそうですが(本当にすみません)、昨日は急遽後輩に誘われてですね、日比谷公園オクトーバーフェストに行ってました。10月じゃないのにオクトーバーフェスト??って感じですが、それはさておき昼間から飲み続けて、家に帰る頃にはグデングデンに酔っ払って、ソファーに座ったら気がついたらそのまま気を失っておりました。

 

 んで、今日は今日でまた仕事が忙しくて謝罪更新すらままならなかったという事でございます。申し訳ないので、この後すぐまた更新します、いつもすみません…。