日本でも11日に公開された『ゾンビーバー』をNetflixで鑑賞!ただのバカ映画と思いきや、意外とジャンルへの愛があるしっかりした作品なんです!(でもバカだけど!)
田舎道を走る一台のトラック、いい加減なおしゃべり運転のせいで*1、積荷の汚染廃棄物が、かわいいビーバーの住む湖にドボン!そんなビーバー達の湖の近くに、男子禁制の女子会キャンプを楽しむためにやってき仲良し3人組(メアリー、ゾーイ、ジェン)。 一晩かけて恋愛話やSEXトークを楽しむ3人、しかし彼女達の彼氏や元彼(サム、トミー、バック)が突然小屋に乱入してきてsexとお酒で大混乱。そんな中、ジェンがバスタブで凶暴なビーバに遭遇!トミーの徹底的な撲殺でことなきを得たのだが、翌日、捨てたはずのビーバーの肢体がどこにもない。しかも、逃げたような血の足跡が・・・。今、極限の恐怖が彼らを襲う!!(笑)(公式サイトより引用)
▲「恐怖」と「(笑)」が同じ文に同居する時点で配給会社の態度が見て取れる本作。いや、そんなの見なくてもタイトルだけで作り手の態度が見て取れる映画だが、これが楽しいのなんの。
『スクリーム』や『キャビン』でも言及されてた「ホラー映画の法則」ってあるでしょ、「処女と童貞は生き残る」ってやつ。でも公式サイトにあるあらすじを見れば分かる通り、本作の登場人物には見事なまでにホラーファンが忌み嫌うヤリチン&ヤリマ◯しか出てこない!ただ一人純潔そうなビッチが出てるのでこの人が生き残るんだろうな、と予想を立てていたらまさかの大展開!レニー・ハーリン先生の傑作『ディープ・ブルー』並に先が読めず、サスペンス的な意味でも楽しめる。
本作は楽しい遊びや仕掛け、ジャンルへの愛で溢れており、ゾンビ(ーバー)から逃げるために山小屋に立てこもる基本的な展開は『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』、川で若者たちがゾンビーバーの襲撃に遭う演出は『ジョーズ』*2、二階の窓から飛び降りという『悪魔のいけにえ』に類似したシーンもある。ゾンビーバーの演出にはアニマトロニクスを使っているそうで、CGにほとんど頼らないその姿勢が素晴らしい。
ちなみにゾンビーバーに噛まれてしまうとゾンビならぬゾンビーバー人間になってしまう。まあ、この辺は実際のビジュアルを観た方がインパクトでかいので画像は貼らないが、ゾンビーバーに噛まれたクマが字幕で「ゾンビーバー・ベア」と表示されててあまりの工夫のなさに笑ったぞ!『サウスパーク』の「マンベアピッグ(半分人、半分クマ、半分豚)」と同じような素敵センス。
バカだバカだとは書きましたが、例えば同じくバカホラーの『貞子3D』なんかと違って、『ゾンビーバー』の演出は基盤がしっかりしてるんですね。『貞子3D』は稚拙すぎて本気でやってんのかギャグでやってんのか分からないその程度の低さをバカにして笑ってたけど、それに比べて『ゾンビーバー』はそのフザケた名前に反してきちんとプロが仕事をこなした演出だというのが本編を観れば一目瞭然で分かる。なんなら一緒に観た中国人のルームメートはところどころあるホラー演出に若干マジでビビってたかんね!いや、さすがにそれは怖がりすぎだろ!
というわけでゾンビホラーコメディとして『ゾンビーバー』は今年日本で公開された『インド・オブ・ザ・デッド』*3と同じくらいオススメなのでした。せっかくの夏なんで是非、涼めないかもしれないけどね!
ゾンビになったビーバーがあらわれた!どうする?映画『ゾンビーバー』予告編 - YouTube
ああ、そうそう、無駄に主題歌もいいんだよね!(映像によるネタバレ注意)
(18+) ZOMBEAVERS Theme Song (Official, feat ...