先週末『ジョン・ウィック:パラベラム』を観たのですが、これがとてつもなくスーパーバッドアスな作品で大変感心致しました。87イレブン・プロダクション率いるスタントは更に上の次元に到達しており、人体の骨の硬さ、肉の柔らかさ、銃弾1発1発の重さ、刀の鋭利さが全て五感にダイレクトに伝わってきます。構成としても『マッドマックス 怒りのデス・ロード』や『ダンケルク』の系譜に当たるノンストップアクションで、あまりの凄まじさに笑いが止まりませんでした。人間、想像を遥かに超える突出した強さや才能を見せつけられると笑ってしまうものなのですね。
ただ、『ジョン・ウィック:パラベラム』に僕がここまで夢中になったのは、NYに移住してから初めて見る『ジョン・ウィック』シリーズであることも影響していることは間違いありません。言わずもがな『ジョン・ウィック』シリーズはNYを舞台にしていますが、ロケ地を模したセットを建てて曖昧にせず*1、名所も細かい番地もありのままで登場してくるので面白いです。例えば、下記のロケ地なんかはチャイナタウンでも有名なドイヤーズ・ストリートで僕もご飯を食べたことがあるのですが、プロダクション・デザインや照明、カラコレなどスタッフの創意工夫で僕たちの知っている土地が犬も歩けば殺し屋に当たる『ジョン・ウィック』の幻想的な世界観に魔改造されていて、「僕たちがよくいく場所でこんな裏世界が!」と錯覚を起こす不思議な楽しさがあります。もちろん、地元NYの観客も盛り上がっていました。
『ジョン・ウィック』に限らず、NYに住んでからは映画にNYが出てくるとそれだけでワクワクします。NYは碁盤の目状で地理関係が分かりやすいので、観ながら頭の中で登場人物たちの移動距離などが想像できて楽しいです。それで言うと、『ジョン・ウィック:パラベラム』は一部で明らかにワープでもしないとおかしいシーンはあるっちゃあるのですが、まあファンタジーとして許容します。
逆に、ハリウッド映画で東京が出てくるととても身構えてしまいます。日本、特に東京は物語のロケーションとして需要がとても高いのですが、日本はアホほどロケ地申請がしにくいので、結局アトランタかどっかにテキトーなセットを組むのでステレオタイプがバリバリなヘンテコな日本描写が出てきてしまうからです。以前Massas52さんとの対談でも書きました*2が、『アベンジャーズ/エンドゲーム』の東京描写は本当に最低だと思いましたし、東京ではありませんがマーティン・スコセッシ『沈黙 -サイレンス-』を日本で撮れなかったことは一生恥ずべき事態だと思います。
ただ、たまにガッチリ日本でロケするナイスな作品もありまして、『ウルヴァリン:SAMURAI』で僕が当時よく遊んでいた高田馬場駅のロータリー前でウルヴァリンが追手から逃げていたのはメチャクチャテンションが上がりました。まあ、あれも超ヘンテコな作品でしたけどね!
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