ウィーデミック

 僕がずっと頭の中で抱えている仮説があるのだが−といってもこれは証拠もデータもなくて完全な思いつきで妄想なので無視してもらって構わないが−、欧米で新型コロナウイルスが蔓延してしまった遠因*1の一つに、アジア諸国と比べて大麻文化が若者に根付いているから、というのもあるのかもしれない。

 

 ご存知の通り、マリファナは世界各国では合法化の流れを辿っている。アメリカでは州によって異なるが、違法の州でも法律は非犯罪化されているなどほぼ形骸化していて、例えばNYだとタイムズスクエアなんかに行くと警察官の近くで普通に大麻を吸っているホームレスなんかよく見かけたもんだし、その気になれば簡単に手に入る。

 

 で、これがどうして新型コロナウイルスと関連するかもしれないかと言うと、マリファナはタバコと違って回し吸い、つまり他人と共用することが多いからだ。さらに、アメリカやヨーロッパでは高い家賃の負担を減らすために、多くの人がルームシェアをしている。気の合う仲間たちとリビングでチル(chill=まったり)している時に大麻をジョイントやボングで回し吸いするのはアメリカの若者でよく見る休日の光景だ。こうして大麻を回しているうちに、感染症状態の若者を媒介にして新型コロナウイルスが広まる理由もあったりするんじゃなかろうか、とふと考えたのである。

 

 まあ、このままだと僕はただデマを流してるだけなので、一応英語圏のニュースサイトを調べてみる。ほとんどがニュースが、自粛に伴って大麻の需要が増えたとか、新型肺炎は喫煙者に重症化する傾向があるので、タバコや大麻の愛好家は禁煙すべきとか、パンデミックのせいで合法化の整備が遅れている、といった情報しか出てこなかった。まあ、考えすぎか、と諦めていたその時、ついに僕の主張と同様のニュース記事を見つけたのである!

 正確には、これは大麻コロナウイルスの蔓延の原因となっている、という趣旨の記事ではなくで、このパンデミックの中で大麻愛煙家たちの間で大麻を吸う時のマナーやエチケットが変わってきている、というものだ。例えば、記事に出ている女性は「免疫系に問題があったり、保険に入っていない人が最初のヒットを吸って、他の人に渡す」「私は4〜10回吸ってから他人に渡す。そうしたら他人の病原菌をうつされる事はないでしょう?」と語り、いかに大麻愛煙家たちが工夫して大麻を吸っているかが伺える。……しかし、それって根本的解決になっていないのでは?*2

 

 ただこちら、センセーショナルな見出しで大衆を釣ることで有名なタブロイド紙であるNYポスト誌の記事なので、信ぴょう性のほどは御察しの通りである*3。ということで、やっぱり僕の説はあまり真剣に受け止めないでいただきたい。

 

 つまり何が言いたいかと言うと、こういう未曾有な時に限ってロクでもない情報がインターネットには溢れかえっているので、落ち着いてまともなソースから情報を得て、デマを広げないようにしましょう。でも、大麻にせよ、飲み物にせよ、なんにせよ、この時期に口につけるものを共有するのは絶対にクレバーな選択肢ではないので、やめておきましょう。そして手洗いうがいをしましょう!

 

 

*1:日本からブラジルまでくらいの超長距離の遠因

*2:一応記事中には他にも個人用の凡愚からしか吸わない人もいたり、さっきの女性もジョイントだけではなく大麻成分を含んだ食べ物を個人で嗜んだりしていることも記されています。

*3:しかもオーナーはFOXニュースのルパート・マードック