【にわかNBAファン便り#7】ウィザーズVSネッツが控えめに言ってクレイジーだった!

 最近書いていなかったNBAに関する記事ですが、今日はどうしたって書かずにはいられない!

 

 ここでにわかな僕が僭越ながら、今日の大逆転に至るまでのワシントン・ウィザーズの軌跡について少々解説させていただきますと、ウィザーズは我らが八村塁選手が日本人初の1巡目指名選手としてドラフトされたチームなので、日本のニュースなどでも聞く機会が多いかもしれませんが、今季はもうとにもかくにも弱い。

 

 元々、ジョン・ウォールとブラッドリー・ビールというオールスター級の2枚看板に引っ張られていたチームでありましたが、ジョン・ウォールは怪我が続いて2018-2019シーズン以来実に2年もの間試合に出ていなかったんですね。その不在の間、ブラッドリー・ビールは孤軍奮闘しており、昨年なんかは1試合平均30.5点*1なんて化け物スコアを取っていましたが、どうしたって若手ばかりのチームなので中々白星を挙げられず苦労しました。しかし、それでも2020年-2021年シーズンになれば、万全になったジョン・ウォールが帰ってくるので、またプレーオフ争いに加われると、希望を抱いて我慢していたわけです。八村塁やトーマス・ブライアント、ダービス・ベルターンス選手など、将来が期待される若手を擁していたのも明るく見えました。


 

 ところがどっこい。オフシーズン中に球団と一悶着あり、なんと希望のスタープレイヤーだったジョン・ウォールが球団にトレードを要求し、ヒューストン・ロケッツに移籍してしまいました。塁くんもオフシーズンには「ジョン・ウォールのプレーをビデオで研究していた」と言っていたくらいですから、関係者には晴天の霹靂です。ファンもウォールの復帰があるからここ2年の負け越しを我慢していたのに、スターの退団に悲しみに暮れました。

 

 が、何も悪い話だけではありませんでした。このトレードが衝撃的だったのは、MVP級のスター選手ラッセル・ウェストブルックがウィザーズにやってきたことです。怪我明けで体調が不明瞭なジョン・ウォールを2023年の制限付きドラフト指名権だけでリーグを代表するスーパー選手であるウェストブルックを獲得できたのは、かなり美味しいトレードだったと思います。また、昨シーズンの成績が悪かったことで、1巡目9位という高順位のドラフト権を獲得し、イスラエル出身の若きスター デニ・アヴディヤが加わりました。かくして、ウォールがトレードされた悲しみをこらえ、ウィザーズファンはウェストブルックを信じてフランチャイズに再び日が昇ることに賭けたのです。

 

 ところがどっこい(2回目)。ウィザーズは運にも見放されました。まず、開幕から主力であった八村塁選手が目のウイルス性結膜炎で2週間ほど出場できず、更に絶好調だったセンターのトーマス・ブライアントも左膝前前十字靭帯の大怪我を負って今季全休が確定、あれだけ期待されたラッセル・ウェストブルックも左大腿四頭筋を怪我して1週間欠場するなど、主力の怪我に泣かされます。そこに襲ったのがコロナ禍で、チームから6選手も陽性者が出てしまい*2試合に必要な先週数を揃えられず試合の延期が続いてしまうばかりか、ロクに練習もできない状態が続き、1/31の試合が始まる前までの成績はなんと3勝12敗。ウィザーズのTwitterを覗きにいくと、これから暴動が起こるんじゃないかってくらい殺伐とした雰囲気が印象的でした。

 

 さて、迎えた本日(1/31)の試合。相手はケビン・デュラントとカイリー・アービングというこれまたリーグを代表する2大スーパースターを擁しているだけでは飽き足らず、最近ヒューストン・ロケッツからジェームズ・ハーデンという得点王を獲得し、ゲームでしか許されないようなチート級なスーパースターターを作ったことで話題になりました。本日はジェームズ・ハーデンはお休みでしたが、優勝候補とも呼ばれるようなチーム(現在イースタン2位)に今のボロボロのウィザーズ(現在イースタン最下位)が勝てるのか。試合自体も第3Qまでリードが許されない展開が続いており、どうせ今日もダメだろうな〜なんて呑気に見ていました。

 

 ところがどっこい。第3Q後半から第4Qが終わるまでのウィザーズの追い上げが凄まじく、殴り合いとしか言いようがない点の取り合いが続いていました。そもそも第3Qが終わった時点で101-107というスコアも意味がわかりませんが、更に第4Qだけでもウィザーズは48点を取るという*3、控えめに言ってもクレイジーとしか言いようがないゲームでした。

 

 特に鳥肌ものだったのは、第4Q残り僅か12秒5点ビハインドという状況で、たった7秒でウェストブルックとビールの2大エースが8点をとって逆転してしまう、という神展開でした。こればっかりは実際に映像で見ていただけると、試合を見ながら思わず叫んでしまった僕の心境が伝わるかと思います。

 

 ちなみに、今日は豪華に2スクリーンで、ラプターズの安定したディフェンスの試合で渡辺雄太選手の活躍を安心して見ながら、このウィザーズの試合をハラハラしながら見ていたのですが、『アトロク』にも出演されたNBAライターの大西玲央さんも同じ環境で、ウィザーズの試合を殴り合いと称していて面白かったです。

 

 ちなみに、今季貴重な勝ち星4のうち、2勝がまさかのネッツ相手です*4。さあ、これで流れに乗ったウィザーズは、最下位からどれくらい順位を浮上させることができるのか、見ものです。頑張れウィザーズ、頑張れ塁くん!

 

 

*1:ものすごい大雑把に単純化して話しますと、NBA大体1チーム1試合4Qで100点前後を記録するんですが、それをロースターに登録された15人で点数を積み上げていくスポーツなんです。もちろん、故障者に備えて登録している選手もいますので、1試合に出場する選手は大体9人前後な中で、10点を超える記録を出せばちょっと褒められる、20点を超えれば十分活躍したと考えられる数字なので、1試合平均で30.5は化け物です。昨年の記録だと、その上にはジェームズ・ハーデンという更なるバケモンがいるんですが。

*2:八村塁選手がコロナにかかったかは定かではありませんが、リーグが定めるヘルス&セーフティープロトコルに引っかかってしまい、またも2週間欠場となりました。昨シーズンも怪我でかなりの試合を欠場しましたが、今のところは運が悪い様子……。頑張ってほしい!

*3:ネッツも38点という意味がわからない点数を取っていました

*4:しかも、前回も試合の最後で大逆転しました