- 明日も仕事あるので、本当はお休みしようかと思いましたが、最近そんなんばかりなので2週間くらい前に見た『アンビュランス』の雑感でも。
- いやー、とても良かったですよ。ルックスやコアとなる部分はどこからどこを切り取ってもマイケル・ベイ映画なんですけども、『トランスフォーマー』シリーズとか『6アンダーグラウンド』と比べたらかなり交通整理されていて、とても分かりやすかった。当たり前なんだけれども、脚本って大事(当ベイ比)なんだなぁ…。
- 正直、これまでのベイ作品は映画としての出来が多少悪くても「ま、まあベイだからねぇ…」と無理矢理誉めていた節はあったんですが、『アンビュランス』は変な忖度抜きで単純にアクションサスペンスとして非常に面白かったです。冒頭を除いてほとんどがノンストップなカーアクションで、ドンドコドラムが鳴り響くサントラも相まって、『マッドマックス/怒りのデス・ロード』味すらありました。まあ、『MMFR』ほど深みがあるかと言ったら言い過ぎですけど、ハラハラドキドキ感は競えるレベルではないでしょうか。
- 原作のデンマーク版は未見なのですが、今回は舞台が車社会の代表格LAというのがいいですね。灼熱なイメージがつきまとうLAのハイウェイがアンストッパブルなカーチェイスや怒鳴り合う掛け合いを更にヒートアップしてくれていると思うんですよね。
- これはこの映画が、というよりはマイケル・ベイの作品全体的に言える事なんですが、ウィル・スミスであれ、シャイア・ラブーフであれ、マーク・ウォルバーグであれ、ジェイク・ギレンホールであれ、ベイの映画に出てくる登場人物たちは皆常々早口で怒鳴り立てながら話しているのは、あまり語られないベイの役者への演出論としては大変興味深いです。マイケル・ベイの現場は驚くほどスピーディーだと言われていますが、そうした撮影テンポの速さも影響しているのではないでしょうか。
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あと、これは今調べて知ったんですけど、「クリエイティブな意見の出し合い」から、本作に出演しているエイザ・ゴンザレスとマイケル・ベイは現場で怒鳴り合いの口論をしたそうです。ゴンザレスがあくまで「創作過程の一部だった」と語っているので、ハラスメントでないといいのですが、ベイの現場も作品同様中々タフなキャラクターが揃っているような気がします。
- 話を戻しますと、恥ずかしながら、マイケル・ベイ作品の中でも傑作とも言われる『ザ・ロック』を未見なのですが、『アンビュランス』も近年のベイの作品の中だったら最高傑作と言えるんじゃないでしょうか。原作のデンマーク映画も観て比較してみたいですね。