暴力の連鎖

 もう暗いニュースばっかりで嫌ですけどね…。

 

 本当にパレスチナ問題は複雑極まりなく、複雑だからこそ悲劇的なのですが、暴力が暴力を生む連鎖は心が痛くなるばかりです。(ちなみに、パレスチナ問題についてはこちらのNHKのシリーズが大変わかりやすく読みやすいので、どういう紛争なのかあやふやな人は一度読まれることをお勧めします。)

 

 今回の衝突でつい思い出した二つの傑作があるのですが、手塚治虫の『アドルフに告ぐ』とスピルバーグの『ミュンヘン』です。漫画の神様はヒトラーユダヤ人説をベースにナチスユダヤ人大虐殺を、映画の神様はミュンヘンオリンピックイスラエル人暗殺事件と、全く異なるユダヤ人の悲劇を扱った作品ですが、結末に現代まで続く終わらない暴力の連鎖を描き出しているのが共通しており、二人の神様の慧眼はさすがというほかありません。

 

 ウクライナ戦争ももう間も無く2年目に突入しようという中で、また大規模な軍事作戦が始まってしまうのは痛ましいばかりです。こういう時、我々にできることはなんなのか、とても無力感を味わってしまいがちですが、常に世界の裏側で起きていることは頭の片隅に入れてせめて日常を送りたいものです。