『マダム・ウェブ』を観てきたんだが…

 なんでもかんでもネットミーム化する風潮が僕は嫌いなんだけど、『マダム・ウェブ』の低評価っぷりもそのミーム化の被害者だと思った。というのも、そこまで叩かれるほど酷い映画とは思えなかったのだ。とは言いつつも、だからと言って積極的に擁護できる映画でもなく、正直出来の悪い映画ではある。

 

 なんといっても、キャシーの予知能力が大変分かりにくい。今観客が見させられているのが予知なのか、はたまた現実なのか。当然、監督の意図としてショックを与える効果として意図的に分かりにくくしているだろうが、やり過ぎだしにしても都合が良すぎて逆にハラハラしづらくなってしまっている。

 

 それにしても、本作品は可哀想だと思う。長編経験のない女性監督がいきなり大作を任せられるだけでも珍しい事で、SJクラークソンは相当張り切っていただろう。それが意地の悪いミーム化のせいで本作は書き下ろされてしまって、彼女のキャリアにも多少なりとも悪影響を与えてしまったかもしれない。そう思うとちょっと胸の詰まる思いはするので、ちょっと過剰に悪く言いづらい作品になってしまったのも間違いない。

 

 最近、こういう若い芽を潰すアメコミ映画が多すぎるなぁ…。