中国の深圳で10歳の男児が殺されたことにすごい憤りや怒り、悲しみといった感情が渦巻いている。こんなに幼い命が、理不尽にも奪われることなんかあって良い訳がない。
一方で、今回の事件で中国人に対するヘイトがSNSで巻き起こっているのも大変おぞましいものを感じる。国交断絶、入国規制なんて物騒なワードがトレンドが上がっているのは呆れるほかない。犯行の動機が分かっていない中、二元論的な思考は短絡的すぎるし、仮にそんな事して国家間の緊張を高めて経済的なダメージを受けるだけで一体何の意味があるというのだ。逆に日本国内でヘイトクライムが焚き付けられそうで怖い。
「そんなことを言うなんて中国贔屓の左翼だ」なんてまたバカなコメントが来る前に言っておくが、僕の妻は台湾人で、僕が現代の中国という国家や中国共産党をいかに問題視しているか、想像できるまい。今回の事件の詳細について中国政府がほとんど情報を出さないのも憤りを覚える。
が、こうした理不尽にはヘイトで返すべきではない。悲痛な事件だからこそ、我々は極めて冷静に物事を判断しなければならない。混乱の中、NHKが現地の中国人や在日中国人に取材していたのがせめてもの救いだった。これを見ても中国人を追い出せなんて乱暴なことが言えるのか?