4月に観た映画の感想

 4月はサークルの新歓活動があり怒濤のように過ぎていきました。その中で中々映画館にも行けず、『フライト』『クラウド アトラス』などの話題作を見逃したまま終わってしまい、一方で僕は『ドラゴンボール』を観に行ったりして本当に何をやっているんだろうかと自責の念に駆られました。

 

 さて、今月は『太陽の帝国』『スクリーム』『タラデガ・ナイト/オーバルの狼』『キャビン』『ゼロ・ダーク・サーティ』『裏切りのサーカス』『ブルース・ブラザーズ』『オーシャンズ11』『オールウェイズ』『イエスマン "YES"は人生のパスワード』『フック』『40男のバージンロード』『ジャッキー・コーガン』『ジャックと天空の巨人』『おとなのけんか』『アフロ田中』『トータル・リコール』など17本を書きました。

 

 『ドラゴンボールZ 神と神』については怒りのレビューを書いたのでそちらも是非。

 

 

 いまや『ダークナイト』シリーズで有名になったクリスチャン・ベールのデビュー作であり子役時代の作品。顔のデザインが全く変わっていない

 日本占領下における上海を描いた作品なのに、日本人の僕が笑っちゃうくらいスピルバーグ親日っぷりを感じさせる。イギリス人の子どもがゼロ戦のおもちゃで遊んでるんだぜ!(イデオロギー的意味合いがあるわけではなくそんなことも言いたいんじゃなく、戦争を舞台にした映画にしてはフェアな作品だと言いたい)

 小学生だったか中学生の時だったか、当時流行った『ガッツ伝説』や『トリビアの泉』に載ってた、「スピルバーグの映画にガッツ石松笑点の山田くんが出た事がある」という伝説を10年ぶりくらいに確認できてなんか感慨深い。収容所を取り仕切る軍人役は伊武雅刀。やっぱりこの人は意地悪そうな役が似合うよね。


日本版予告篇 / 太陽の帝国 - YouTube

 『キャビン』鑑賞前にホラー偏差値を上げる為に鑑賞。しかし、『スクリーム』も中々ホラーに対する教養が必要なメタホラーだった。でも作りが優しいので僕みたいなFランホラー偏差値の者でも充分楽しめる造りになっている。そもそもホラーというよりコメディに近いかもしれない。本作はホラー映画のパロディなので、『最終絶叫計画』はそのまたパロディをやってしまっている…。冒頭に可愛さ絶頂期のドリュー・バリモアカメオ出演

 本来あからさまな死亡フラグには観客は冷淡な態度で鑑賞してしまい、その登場人物が本当に死んでしまった時などは下手すると笑ってしまうこともあるけど、この映画は事前に「ホラー映画のお約束」を説明しておく事で、その安直な死亡フラグを弄び観客を振り回すところが巧くてズルい。逆に言うと、こういうメタ的な構造を持つ作品やパロディでないともう面白いホラーが作れない程ネタが尽きてしまっているんだろうなぁ、と思うとなんとなく虚しい。

 僕はビビリだったのでこの歳になるまでホラーは極端に避けてきた。そしていまになってホラーを観るとどれもこれもあんまり怖くなくて悲しい。やっぱり中学生とか高校生の時に友達ともっとホラーを楽しんでおけば良かったと思ってももう後の祭りなんだよなぁ…。だからホラー映画はレイティングを緩めにして中高生800円とかで観れるようにすると興行的に活気づくし、「あ、淫乱だと真っ先に死ぬんだ」と彼らの将来のためになると思うんだけど、どうでしょう全興連さん。


Scream - TRAILER - YouTube

 オーバルってなんだろうと思って調べたら、サーキットのことを言うらしい。原題は"Talladega Nights:The Ballad of Ricky Bobby"で、直訳すれば『リッキー・ロビーの物語』。リッキー・ロビーとはウィル・フェレル演じる主人公の名前で、スピード狂でアルコール中毒の親父が病院まで飛ばす車の中で産まれた生粋のスピードレーサー。リッキーは幼少期に出て行った親父に吹き込まれたモットー「1位じゃないやつはビリだ!」を胸に、レース中いつも後ろから押してくれる親友キャルと共に走り、リッキーは現在ではNASCARのトップレーサーとなる。そこへフランス人で同性愛者レーサーのジャン・ジラールが邪魔をしてきて…。って見渡せばバカしかいない

 この作品でウィル・フェレルジョン・C・ライリーが出会い、以後多くの作品で共演する親友となる。ジャン・ジラールを演じたサシャ・バロン・コーエンは(アメリカ人からみた)バカ外国人を演じさせればピカイチで、この映画と同じ年に傑作モキュメンタリー『ボラット/栄光なるカザフスタンのためのアメリカ文化学習』を発表している。

 バカすぎる『カーズ』とツイートしたけれど、この2作品は粗筋も良く似通っている。両方とも図に乗っていたNASCARのトップレーサーがひょんな出会いから人間的に成長していく話だ。2006年のサマーシーズンに公開されたので、製作時期も被っている。ただ、『カーズ』はディズイニー/PIXARらしくモラル的に感動するオチだが、『タラデガ・ナイト』のオチは最後までバカなのに感動的という離れ業をやってのける。ちなみにそれぞれアニメ、コメディなのに、レースシーンはアクション映画に劣らない大迫力!

 ちなみに下の動画は『カーズ』を『タラデガ・ナイト』の予告編にかぶせたもの。


Talladega Nights / Cars Trailer - Mash-Up Re-Cut ...

 とても面白かったけど、日本版予告編に文句が言いたい。観せ過ぎじゃねぇ?お陰で展開が案外予想できたりしてちょっと肩透かしを食らってしまった印象は否めない。

 捻った設定と展開が魅力の作品なので、この映画の評判を聞いているけど予告編を含む前情報を全く仕入れていない幸運な人は、何も読まず何も観ずに今すぐ観て欲しい。公開終わっちゃったけど、文芸坐で6/1にオールナイト上映という、ホラーを観るにはこれ以上ない最高の環境で観れるので是非観て欲しい。抱き合わせは『ザ・レイド』『アイアン・スカイ』『ベルフラワー』。バカになるのにも最高の夜ですね!


The Cabin In The Woods #3 Movie Clip - Split Up ...

 気分を悪くしてしまうくらい心拍数をあげて観ていた3時間。この作品と比較されがちの『アルゴ』なんて可愛いものだ。年間ベストには確実に入る傑作だと思う。

 ここから先はこの映画のラストカットの解釈について書きたいことがあるので、ネタバレが嫌いな人は読まないで欲しい。

 この映画はビン・ラディン暗殺を描いているのに、実はビン・ラディンはそこまで重要な要素ではない。リアリティの追求のためかもしれないが、この映画内で徹底してビン・ラディンの顔は映そうとしない(その割には他の実在のテロリスト達はちゃんと映している)。死体も丁寧なことに首から上は切れるように写している。つまりこの映画においてビン・ラディンは単なるマクガフィンでしかない。

 主人公のマヤは命の危機にさらされようと血眼になってビン・ラディンを探す。徐々に感情が死んでしまうくらいに。彼女にとってビン・ラディンを探し当てることが生きがいだったのだ。そのため、ビン・ラディンの遺体を確認したマヤはどこか戸惑った表情を浮かべ、ラストのヘリの中で虚しさのあまり涙を流すのだ。

 ちなみに、この映画でマヤが本国へ戻るためにヘリコプターに乗ったのは、キャサリン・ビグローの前作『ハート・ロッカー』のラストで、新たな戦地に降り立つジェレミー・レナーと対比になっている気がする。


Zero Dark Thirty Clip: Kill Him For Me - YouTube

 『キネマ旬報』『映画秘宝』双方の2012年ベストに入るなどやたら評判が高い映画である一方、内容が複雑で脳内整理が難しいという声が多い。僕は内容の難しさ以前に淡々としてて退屈だった。というかぶっちゃけ眠気すら誘ったよ…。複雑な相関図、長台詞、やたらいじりまくる時制、ジャンプカットと、どれもこれも鑑賞ストレスが溜まる。

 「『007』や『m:i』シリーズと違い、リアリティを重視したスパイ映画」…ってリアリティのあるスパイ映画はこんな地味なおっさん達が事務仕事をしているような映画じゃなくて、『ゼロ・ダーク・サーティ』みたいな映画の事を言うんだよ!あと、松竹で『スカイフォール』との抱き合わせで観たけど、スパイが走り回って殺し回ってセックスしまくる『スカイフォール』の方が何倍も面白かったぜ!『スカイフォール』はやっぱり何度観ても面白いな。

 あ、この作品は好きじゃないけど、あの切ないエンディングは好きだよ。


Julio Iglesias - La Mer - YouTube

 スピルバーグの『1941』でも常にハイテンションだったジョン・ベルーシとダン・エンクロイドが、コメディアンとは思えない歌唱力とキレのあるダンスを見せてくれる作品。私生活でも親友のベルーシとエンクロイドの息もピッタリで、観ていて現場の雰囲気が伝わってきて楽しい。コメディなのに驚くのは破壊の限りを尽くすカースタントで、中盤のショッピング・モールでのチェイスは本当にモールを借りて撮影していたらしい。生の迫力はやっぱり違うなぁ。クライマックスのチェイスの舞台はシカゴで、なんと『ダークナイト』でジョーカーと警察がカーチェイスを繰り広げた場所と被っている!

 『ブルース・ブラザーズ』はSNL(サタデー・ナイト・ライブ;アメリカで現在も放映している長寿バラエティ番組)の一コントの映画化。同じくバラエティ番組を映画化したもので最近話題になったのは『キス我慢選手権THE MOVIE』。深夜バラエティ『ゴッドタン』で劇団ひとりのアドリブ力を売りにした同名のコーナーを映画化した物で、映画版も全編アドリブで構成されているらしいが…ぶっちゃけ不安しか無い。いや、『ゴッドタン』自体も大好きだし『キス我慢選手権』も最高なんだけど、それ映画にしちゃうのか…。むしろ『マジ歌選手権』で後藤かダイノジ大地のキャラに何かストーリー付け加えて『ブルース・ブラザース』みたいにしてくれた方が映画化しやすいんじゃないか…。とか勝手に思ってるけど、どうせ観に行きます。


The Blues Brothers (6/9) Movie CLIP - Everybody ...

 今年サークルの新歓CMを撮ることになり、その時にスタッフ・キャスト全員に伝えていたのは「オーシャンズ11』のイメージでやる!」ということだった。このイメージは伝わりやすかったようで、中々満足のいく面白い映像が出来上がったと思う。手伝ってくれた皆ありがとう。ただ、問題が一つだけあって、それは僕が『オーシャンズ11』を観たことがなかった事だ。皆ゴメンね。

 元の『オーシャンと11人の仲間』と比較してしまうためか、『オーシャンズ11』を嫌いな人って意外と多い。そういう人たちの意見ばっかり聞いていたので実際に観てみたら面白過ぎてビックリ。というかもう「」という言葉がぴったりだね。カット割りも音楽もオシャレで、テンポよく進み2時間も尺が無いのに、それでいてキチンと多すぎる登場人物達を平等に描き分ける力量が素晴らしい(とはいいつつ、やはりジョージ・クルーニーブラッド・ピットマット・デイモンに比が偏るけど)。もちろん脚本も上手く、登場人物達と観客が同時に騙されて驚かされるのは非常に心地いい。

 ただ、一つ不満がありまして、豪華絢爛なこの映画でジュリア・ロバーツが地味。そんな奇麗な女優でもないのに、彼女を巡って命をかけたジョージ・クルーニー正気の沙汰とは思えん


Ocean's Eleven - YouTube

 スピルバーグの作品の中でも知名度の無さでは1、2を争うマイナーな作品。しかし、『オールウェイズ』をネットで検索すると「スピルバーグが賞狙いに走った作品」と紹介しているレビューが多いのだが、個人的には本作の神秘的な雰囲気が好きで、『カラーパープル』と比べたら遥かにマシ。


Richard Dreyfuss in "Always" 1989 Movie Trailer ...

 「どんなことにもYESと答えれば幸せを引き寄せる事が出来る!」なんて怪しい自己啓発本をテーマにしてるんで、笑いつつもどうやって話を持っていくんだろうとハラハラしていたんだけど、とても納得できるオチで安心した。上手いとは言わないけど、考える限り万人ウケできる最良のオチの付け方。本作でのズーイー・デシャネルいつもに増して可愛過ぎて気が触れてしまいそう…

 ところで『ライジング・ドラゴン』で話題になっていた全身ローラースーツを先に本作でジム・キャリー取り入れていたよ!


Yes Man - Body Blading - YouTube

 『未知との遭遇』『A.I.』は『ピノキオ』を題材にしていたし、本作以外にも『E.T.』で『ピーター・パン』を扱っていて、スピルバーグは本当にディズニー映画が好きだ。本作でもウェンディの家をアニメそっくりに再現していた時は感動し、ネバーランドの楽しさに興奮したんだけど…。ごめん、後半が僕には無理だ。特にロビン・ウィリアムズのあの衣装、正気か?と思っていたら衣装デザインのアンソニー・パウエルは『フック』のお陰で第64回アカデミー賞衣装デザイン賞でノミネートされている!正気か?(美術賞ノミネートは納得)


Hook - Trailer - YouTube

 ツイートもしているが、何よりこの作品で驚くべきことはジャド・アパトーが全く関わっていない事だ。後で調べたが監督のジョン・ハンバーグはTVドラマの"Undeclared"でアパトーの元で働いており彼もれっきとしたアパトーギャングの一人。映画化されるまで11年間も眠っていたラリー・レヴィンが書いた脚本を元に、ジョン・ハンバーグの個人的な友達作りの体験を盛り込んで書き直したものらしい。本当にアパトー精神を受け継いだ映画だ。

 結婚式直前に自分のベストマンがいないことを焦ったポール・ラッド演じる主人公が、必死に友達を作ろうとする内容。その過程がラブコメで男と女がデートするシーンみたいに描かれているのが面白い。最終的に親友となるJ・シーゲルは本当に良いやつで、彼らが仲違いするシーンは心を痛めてみるのが辛いくらい感情移入してしまった。でもフェラの話は嫁さんにしちゃだめだよ!


I LOVE YOU, MAN : movie trailer | DreamWorks ...

 「町山智浩さんによる『ジャッキー・コーガン』ちょっとだけ解説-Togetter」を読んで流石だと思った。しかし、本作がサブプライム・ローンをマフィアの抗争劇に例えたものだと分かっても、やはりテーマが全面に出過ぎていてノイズとなっている。オープニングのつかみはばっちりで、急なスローモーション、独特なテンポなどの変態的な作風は昨年の傑作『ドライヴ』を想起させるけど、政治的・経済的テーマはあからさまでやっぱり気に食わない。


映画『ジャッキー・コーガン』予告編 - YouTube

 『ジャッキー・コーガン』とのはしごで鑑賞。ブライアン・シンガーだってんで観に行ったんだけど、前半ダルくてウトウトしてしまった分を後半で清算された感じ。最近有名な童話を大げさに実写化する路線が流行っており、本作に対してもそのような批判を聞く。ただ、『ジャックと天空の巨人』は『ジャックと豆の木』と日本では馴染みの無い『巨人退治のジャック』を合わせたもので、一応原作には忠実らしい。

 僕は字幕3Dで観たけど、公開前散々観させられた予告編で察する限り吹き替え版が酷すぎる。特にウエンツ瑛士の「ジャックだ!」の声に2時間も座席に座っていられる自身が無い。


映画『ジャックと天空の巨人』オンライン限定予告【HD】 3月22日公開 - YouTube

 何度でも言うが、79分という上映時間は大正義。の割に濃厚な密度で、何度でも繰り返し観てみたい。この尺の短さはポランスキーが元の舞台よりも台詞を切り、更に役者に早口で喋らせるという演出の産物だが、結果これが4人のキャラクターにリアリティを与えている。どいつもこいつも巧みにデフォルメされていて「ああ、こういう嫌なやついる!」とニヤニヤが止まらない。それぞれが誰かという訳ではなく、それぞれが観客が持つ一面を少しづつ反映している。惜しむらくは本作を家で観てしまった事で、劇場で観たら周りとの一体感を楽しめるさぞかし素敵な体験だったに違いない。

 どーでもいーことだが、個人的に最も素晴らしいと思ってるのはケイト・ウィンスレットが見せるゲボ。ヒステリックなジョディ・フォスターにキレさせるには容赦ない量で、ウィンスレットも心底気持ち悪そうに見える。最近コメディに比重を置いて映画鑑賞をしており、面白いコメディ映画には必ずゲボが出てくる。最早ゲボが出てくるコメディは傑作といっても過言じゃない。


2/18(土)公開『おとなのけんか』予告編 - YouTube

 原作はのりつけ雅春の『高校アフロ田中』『中退アフロ田中』『上京アフロ田中』『さすらいアフロ田中』の『アフロ田中』シリーズを元にしている。(実際には『さすらいアフロ田中』は製作中には発表されていなかったので、その前3シリーズが元)。

 どのシリーズも特に大きな話や目的がある訳でもなく、淡々とアフロのモテない青年・田中広の日常を描いているだけだが、面白いのはその独特な着眼点。些細な事に執着したり悩む田中の思考が赤裸々に読者に晒され、それを解決しようと奮闘する田中やその仲間たちのシュールな姿が笑いを誘う。各シリーズ10巻くらいなので是非オススメしたい。(つっても全部で40巻あんのか!『ドラゴンボール』かよ!

 映画版『アフロ田中』は童貞の青年田中に地元の友人達がアドバイスしてあげて何とか彼女を作らせてあげようとする。もろに『40歳の童貞男』で、アパトー・ギャングが製作する一連のブロマンス・コメディがやりたいのだろう。ブロマンスという概念が無い日本でそれをやろうとする姿勢は、『アフロ田中』ファンとしてもブロマンスファンとして認めたい。

 だが、出来た物はあまりにも酷い!漫画原作映画にありがちな、原作のエッセンスではなく原作のエピソード(表面)を拾ってしまい、結果肝心の話が破綻してしまうという典型的な過ちを犯している。(「ひたすら謝らない」シーンとか、いや確かに原作にあるけど、あそこであれやっちゃうと全然道理が通らないでしょ!あと、努力もせず隣に引っ越してきた佐々木希が勝手に惚れてくれるって、どんだけご都合主義な話だよ!)

 しかもキャラの思考を全部口に出すという、これまた漫画原作映画にありがちな「副音声映画」となっており、鑑賞中はうざったい事この上ない。ブロマンスがやりたい割りには下ネタがどれも中途半端で、上品に仕上げようとする姿勢が気に食わない。(オナニーの一つも出てこないで何が『アフロ田中』だ!)

 褒めるとするなら主演の松田翔太で、キャストが発表された時は「なんでイケメン起用すんだよ!」とブチギレた物だが、「好きだー!」と叫んでゴミ箱に突っ込むなど、体の張った演技を見せてくれる。あと、10人の武田修宏がサッカーしている田中の妄想など、部分部分笑えるギャグはあるのに本筋が支離滅裂なので非常にもったいない。とりあえず監督は『スーパーバッド』と『40歳の童貞男』をあと20回は見直して作り直すように!


映画『アフロ田中』予告編 - YouTube

 やたら評判が悪いけど、最善は尽くしていると思う。だってバーホーベン版を超えるのは無理だってハナから分かっていて、レン・ワイズマンは原作から「アイデンティティの揺らぎ」というエッセンスだけを頂いて、同じフィリップ・K・ディック小説映画の『ブレードランナー』の未来描写を取り入れたり、パルクールを採用したり、なるだけ独自の個性を出して勝負しようとしているだけで素晴らしい、ねぇ『アフロ田中』くん。それだけじゃなく、トリプルおっぱいなどオリジナル版への目配せも忘れない。まぁ、『ブレードランナー』の未来描写を今更取り入れるのも古いと思わなくはないけども。


映画『トータル・リコール』予告編第2弾 - YouTube 

 


以上で今月分は終わります。月を追う毎に更新が遅くなるなぁ…。