第3回シネ漫才「俺達91年生まれのポケモン直撃世代が観た『名探偵ピカチュウ』」VS あみん【第ニ部】

【前回の対談】

 

  あみん との対談企画第2弾!以前の対談企画から1時間で収録を終わらせないと書き起こしで地獄を見る事は分かっており、「対談は1時間で終えるからね!」と釘を刺していたが、もちろん酒を飲んでしまった二人にはそんな口約束は無力であった。文字を打ち込んでも打ち込んでも終わらない、しかも1銭たりともお金も入ってこない長時間作業にデジャヴを乗り越え、無事にアップした第二部をとくとご覧あれ!(三部で完結予定)

 

※いつも通りネタバレ全開ですので、ご注意ください。また、酒が入っているためくだらない話も多いですが、その辺の雰囲気も含めてお楽しみください。あと、書きおこしに時間が経ってしまいましたが、こちらの対談は2019年5月10日に収録されたものです。

f:id:HKtaiyaki:20190524064151p:plain

 

どのポケモンが一番好き?

 あみん :「時刻は0時28分を回りました」

Taiyaki:いらんいらん!

 あみん :いらない?じゃあちょっとさ、ずばり子供に戻って話しされてこうと思うんだけど、1回気持ちをね。一番好きなポケモン何?ちょっと1回映画のこと忘れて、子供の時一番好きだったポケモン何?

Taiyaki:僕は一番最初に緑バージョンをプレイした時に選んだのかフシギダネだったから、フシギダネは思い出にあるよね。『ポケモンGO』 で一番最初に捕まえたのもフシギダネ

 あみん :それで言うと俺はゼニガメだったんだけど…ちょっと待って、ごめんね、最初の3匹も抜きにしよう

f:id:HKtaiyaki:20190523233538p:plain

▲初代の『赤/緑』バージョンでもらえる最初に三匹。左から時計回りに、フシギダネヒトカゲゼニガメ

 

Taiyaki:最初の三匹も抜き!?

 あみん :野原で捕まえるポケモンで一番好きなの

Taiyaki:ベタにピカチュウ好きだしなぁ…

 あみんピカチュウも無し!

Taiyaki:(笑)どうだろう、一番最初で…

 あみん :151匹に限らず

Taiyaki:まあまあそうなんだけど…

 あみん :強い弱い関係なしに、オーナメントとしてこれは俺のチームに入れたかったみたなポケモンいない?

Taiyaki:うーん、ラプラスとかさ

f:id:HKtaiyaki:20190523234502p:plain

 

 あみん :ああ、いいね!俺はね、ゲンガーなの。

Taiyaki:ああ、ゲンガー良いね

 あみん :俺ね、ゲンガー大好きで。理由もいくつかあって、いつもニコニコしていてとかそういうのもあるんだけど(笑)アニメ版で一番最初にゲンガーが出た時……

Taiyaki:あの、ゲンガーとニドリーノが戦ってるところじゃない?

 

 あみん :ごめん、そこじゃない!エスパー使いの名前何だっけ?

Taiyaki:ナツメ?

 あみん :サトシがナツメと戦うアニメの話知らない?三話に分かれてんの

Taiyaki:僕それ観てないんだよ

 あみん :一話目がゴーストタウンに行って、ナツメがユンゲラー持ってて、「エスパータイプポケモンにはゴーストタイプが必要だ」っていってゴーストタウンに行くの、2話目で。「ゴーストポケモンを捕まえよう」って言って。それで、サトシがゴースとゴーストとゲンガーと一日幽体離脱するの。タケシとカスミと多分ピカチュウも「サトシが死んじゃった!」って言うの、なんかシャンデリアかなんかに潰されると思うんだけど

Taiyaki:ふふふ

 あみん :それを見てサトシが他のゴーストポケモンと一緒に、「あの二人俺が死んだと思ってる」つって空を飛びながら、最後サトシがお化けとしてゴーストタイプのポケモンたちと楽しい日々を過ごすの。最後サトシが悲しんでるカスミとタケシを見て、「ごめん、俺戻らなきゃ」って言って自分の体に戻って目が覚めるの

Taiyaki:うん

 あみん :で、そのゴーストタイプのポケモンたちがサトシになついちゃったから、最終的に何故かゲンガーじゃなくてゴーストなんだけど、ゴーストがサトシについてくるっていう。で、その次の話でナツメとゴーストが戦って勝つ、っていう三話連チャンのがあるの。たまにあるじゃん、ポケモンで話が続く事。

▲該当する三話

 

Taiyaki:サントアンヌ号とかね

 あみん :そのゴースト版があって小さい時凄い好きだったの。だからゲンガーがやっぱり俺一番好きで、ゲンガーが出てきたのは嬉しかったんだけど……ゲンガーの出来が悪くない?

Taiyaki:だっはっは!ちなみにゲンガーはね、さっき言った杉森建さんが一番好きなポケモンなの

 あみん :おお

Taiyaki:何でかっていうと、一番書きやすいから

 あみん :書きやすいだろうね

Taiyaki:逆に言うと、杉森建さんが一番嫌いなポケモンフシギバナなの。めっちゃ書きにくいから(笑)

f:id:HKtaiyaki:20190523235530p:plain

 あみん :あははは、ああね

 

いつまで経ってもハリウッドは『ロボコップ』から抜け出せない!

Taiyaki:でもね、これ不満点というかマイナス点になるけど、意外と細かく観てると背景に出てくるポケモン結構一緒なんだよね。あんまバラエティないというか、ヒトカゲとか

 あみん :ガーディ多くね?って思った

Taiyaki:ガーディとか、バチュルとか、チョロネコとか、エイパムとか、ポケモンの街とかいう割に意外と被ってるんだよね、

f:id:HKtaiyaki:20190524000052p:plainf:id:HKtaiyaki:20190524000221p:plainf:id:HKtaiyaki:20190524000331p:plainf:id:HKtaiyaki:20190524001124p:plain
▲左から順に、ガーディ、バチュルチョロネコエイパム

 

 あみん :でもまあ、その辺は予算の話とかになってくると思う

Taiyaki:そうそう、VFXが多分難しかっただけだと思うから

 あみん :3Dモデリングしてテクスチャーつけてって話になると、多分もうアーティストの数って言うか予算感の問題だよね

Taiyaki:だから続編に期待なんだけどね、そこらへんは

 あみん :『ポケモンスタジアム』みたいな感じでしょ?

Taiyaki:そうそう(笑)初期『ポケモンスタジアム』は何十匹くらいしか使えないんだけど、『ポケモンスタジアム2』は全匹使えるみたいなね

ポケモンスタジアム(64GBパック付き)

ポケモンスタジアム(64GBパック付き)

 
ポケモンスタジアム2

ポケモンスタジアム2

 

 

 あみん :俺もそれ考えてたよ。多分2つ目すげーいっぱい出てくるんだろうなって思って。あとさ、ガーディーただの犬じゃね?

Taiyaki:まあまあまあ……犬だよね(笑)

 あみん :ガーディ犬だよねタダの

Taiyaki:ウィンディがたまに出てくるけど

 あみん :…も犬だったけどね(笑)

Taiyaki:あっはっは、デカい犬っていう(笑)

f:id:HKtaiyaki:20190524001700p:plain



 あみん :順を追っていくと、ポケモンとは関係ないんだけど、ちょっと飽き飽きしたのはまあ主人公は普通の少年です、自分は普通の人だと思ってるから最初はお父さんの何かも気にはなるんだろうって言われて、速攻で否定します、みたいなそれはゴールデンルールでしょ?そこはまあ良いんだけど、俺もうそろそろいいじゃねって思うもう一つのゴールデンルールは、デカい企業があって、その社長が一般・大衆面前の前では革新的なことをやってる凄いイノベーション的な人で、良い人なんだけど、実は裏では悪い研究をしてたっていう、この方程式やめようぜって思った

Taiyakiロボコップ』から進歩してないよな。最近多すぎる!

 

 あみん :自分の世界に入っちゃうんだけど、最近ここ数日特に俺ポン・ジュノにすげーハマってるじゃない?。『オクジャ』観たんだけど

Taiyaki:『オクジャ』もそれだったね

『オクジャ』もそれだったし、最後パレードだったし。だから『オクジャ』と方程式が一緒なの!

 

Taiyaki:全部一緒だよね。冒頭5分で最初の事件見せて、本当の主人公出てきます、企業の暗躍見せます、企業のトップは一見いい人に見せます、で色々進んでいくうちにああ、やっぱその企業のトップは悪い人でしたみたいな、全部一緒だよね

 あみん :あと、ちょっと細かいんだけど、ティムが社長室に入るの簡単すぎないと思って(笑)

Taiyaki:あっはっは、あと女の子に会いに行かなきゃつってさ、CMN、行くじゃん?あの時超簡単で(笑)あの時バックで流れてるのは初代のテーマソングなんだけど

 あみん :あ、そうだ忘れてた!あの女の子かわいかったね!

Taiyaki:でた あみん の(笑)

 あみん :ルーシーかわいかったね

Taiyaki:まあ可愛かったけどね

 あみん :ただ、俺の文句が一つあるとすれば、コダックじゃなくて良かったんじゃないかな

Taiyaki:いや、でもそれはうーん……

 あみん :いや、俺はコダックは好きよ、カスミとコダックのコンビは心に残っているんだけど、カスミとコダックの相性があったじゃん、「全くこいつわ~」とか「あんたは引き下がってなさい」みたいな、アニメのコダックのキャラがカスミに対して凄い立ってたのね。そのケミストリーがあの女の子との間にはなかった。

Taiyaki:ああ……

 あみん :あと、すみませんね、美大出身なんで、色とか形とかが凄い気になるんだけど、ピカチュウと黄色黄色っていうのが凄い気になった。どっちも毛並みが一緒だし

Taiyaki:僕も色合いについては今言おうと思ったんだけど

 あみん :折角俺たちいっぱい色んなポケモンがどう再現されているのかを観に来たのに、コダックピカチュウという凄い似た者同士が主人公二人の相棒だったから、しかもコダックというキャラの良さがあんまり生かされているわけではなかったから、そこはちょっと不安だったね。一つこの映画の何かを変えてくださいと言われたら、俺はコダックを変える。ピカチュウを変えるわけにはいかないからね

Taiyaki:なるほどね、もっと間抜けなポケモン

 あみん :か、もっとでっかくてごついのが、犬っぽく懐いているとか、あるいはちょっとおとぼけ感を出したいんだったら、あの女の子の相棒がバリヤードとかで最初から最後までずっとジェスチャーやってるとかでも良かったかなって思ったけど

Taiyaki:まあね

 あみんピカチュウが喋るから、もう片方は喋らないでやるっていうのを、あの2匹がジェスチャーゲームやってコミュニケーション取ろうとしてるシーンがあったけど、あれを最初から最後までちょこちょこ点在させて欲しかった。

Taiyaki:まあ天丼ギャグみたいなことでしょ

 あみん :そうそうそう!「天丼ギャグにしてもいいんじゃないかな?」と、勝手に俺だったらみたいな視点でそういう風に考えてた。バリヤードのシーンの出来がいいだけに、あそこが飛びぬけて面白かったくらい、それをなんか通しでもっとチョコチョコあるものにしちゃっても良かったんじゃない?コダックはもったいなかったな

Taiyaki:まあ僕はコミックリリーフとしては好きだったから、別に良いと思ったけど、まあ言わんとしてることは分かるよね。黄色黄色で被っちゃってるのは

 あみん :そう、ピカチュウの黄色をもっと立たせるべきだったかな。あと、コダックはアヒルだから羽毛じゃね?と思った

Taiyaki:フフフ、毛の質感がね

 あみん :毛だったよね、でも嘴のリアルな感じとかが、リアルすぎてグロくないけど、触れそうなぐらいなリアルな感覚って全体として凄い良かったけどね

Taiyaki:目とかも良く再現したよね、あの黒点だけみたいな(笑)

 あみんピカチュウも白目あったけどね、それ良かった

Taiyaki:うん、良かったよかった。これブログにも書いたことだけど、株式会社ポケモンってディズニーみたいなもんで、デザインへのチェックが凄い厳しいの

 あみん :そりゃそうでしょうね

Taiyaki:「ピカチュウの鼻は逆三角形じゃなきゃダメだ」とか、「ポケモンの指は〇本だからこのポケモンはこれじゃなきゃダメだ」つって、全ての商品とか小学館が出してる漫画とか全てにチェックして、許可出してる機関が株式会社ポケモンに中にあるんだけど、そういうチェックが入念に行われてたんだろうなっていうのはすごい感じたよね

 あみん :それはもう間違いないでしょ、だってハリウッドがポケモン作ってるんだから

Taiyaki:それが2014年版の『GODZILLA ゴジラ』と1998年版の『GODZILLA』の違いだと思うんだよね。1998年版は東宝が付け入るスキは一切なかった。2014年版は今回『名探偵ピカチュウ』作ってる会社もゴジラ作った会社もレジェンダリーなんだけど、レジェンダリーがちゃんとしてる会社っていうかさ、オリジナル元にチェックを通す会社っていうかさ

GODZILLA ゴジラ(字幕版)

GODZILLA ゴジラ(字幕版)

 
GODZILLA (字幕版)

GODZILLA (字幕版)

 

 

 あみん :クライアントチェックってやつだね

Taiyaki:そうそう(笑)見てもらってるんだなあって。トーマス・タルっていう元会長がモノ凄いオタクだったから、そこが活きてるんだろうなぁっていうのは感じだけどね。

 

ホログラム装置はズルいよ!

Taiyaki:全体を通してこれはマイナス点だけど、説明的すぎるんだよね。何でも言っちゃうっていうかさ

 あみん :それはもうこの映画に限らず、今のブロックバスター全部言える事でしょ?俺だってクリストファー・ノーランの映画も説明し過ぎたと思ってるもん

Taiyaki:彼は説明しないと難しすぎるんじゃないの?

 あみん :難しすぎるにせよ、し過ぎだな…まあ、俺から出しておいてなんだけどクリストファー・ノーランは一回置いておいて、台詞って多ければ多いだけいらない情報になってくるからさ。昨日サンダンスのグランプリのショートフィルムとか、あのSXSWの正式出品されたショートフィルムとか片っ端から見てるじゃない?だからそういう目もあったんだけど、ショートフィルムってどんだけ言わないか、どんだけ見せないか……

Taiyaki:まあね、画で勝負するもんだからね

 あみん :映像ってまずそういうもんだから、だって言葉で説明するんだったらじゃあ本でいいじゃんって話で、でも映像って音楽と画があってしかも絵も動きます、カメラも動きます、で言葉もあります、で全部のバランスが映画なわけでしょ?音楽がだけがうるさくてもダメだし、台詞が多すぎちゃったら今度は観てる意味がないし、アクションだけだったら…とかっていう話がどんどんの積み重なっていく訳だけでも、全部のバランスな訳で、ショートフィルムとかその抽出されてる作品とかよく見ると、必要なもの最低限に省く最低限に残しとくっていうのはすごい大事なプロセスだと思うんだけど、やっぱり映画は…

Taiyaki:大衆向けとなるとね

 あみん :やっぱそうなんだよね

Taiyaki:だからそれは難しいんだけど、普段だったら多少説明しててもあんま気になんないんだけど、今回気になったのはさ、ホログラム装置あるじゃん。あとフラッシュバックがやたらめったら多いのね

 あみん :多いけど、俺頑張ってたなと思ったの、フラッシュバックに関しては

Taiyaki:めちゃくちゃだから僕は説明し過ぎだなと思って、フラッシュバックの多さとかさ

 あみん :フラッシュバックね、多かったんだけど、俺が気づいたのはフラッシュバックも一瞬だったの。多いけど、一つ一つが一緒にそのシーン丸々リピートするんじゃなくて、そのシーンの冒頭だけ、シャッシャッみたいな、そこは俺我慢したなと思ってた

Taiyaki:本当はもっと入れたかったみたいな?

 あみん :多分、例えばピカチュウが橋にに辿り着いて「あ、これ事故があった橋じゃん」みたいになった時に、一瞬フラッシュバックに戻るじゃん?で、俺は「ああ、ここまた車が通ってガッシャーンってなってミュウツーが見えるんだな」って思ったの。もうそのシーン繰り返されるの3,4回目くらいなの。と思ったら、橋が一瞬シャッシャッつって。あー大人になったなあと思って(笑)相手が誰なのか知らなかったけど、大人のフラッシュバックだなあ、と思いながら通してみてたけどね。まあホログラムはうるさかったけどね

Taiyakiそもそも装置としてホログラムズルいじゃん!大体、敵の研究施設いくじゃん?あそこもホログラムで再現される意味がないもんね。敵側としてはそこをホログラムで記録している意味が無いっていうかさ。

 あみん :ないね。まあ、それで全理解しちゃう。あのさ、俺『クレヨンしんちゃん』の漫画が好きで、『クレヨンしんちゃん』のアニメでは使われないけど漫画で使われる手段があるのね。何かって言うと、『クレヨンしんちゃん』って結構キャラクターがいっぱいいるわけじゃない?凄いまあ、話題が逸れるんだけど(笑)いっぱいキャラクターがいて、何かが起きてる途中で他のキャラクターが入ってきて、話が一転して「えっ?」てなってる時にまた別の人が入ってきて、とか「あー!」ってなって最終的にはアンサンブルになるのね。アンサンブルって言葉が一番正しいと思うんだけど、アンサンブルになる時に、他のキャラクターが状況を理解するっていうステップが必要な訳でしょ?それを映画っていうのは、説明したりとか、フラッシュバックしたりとかまあ分からないけど、ほとんどの場合あまり上手にやらないんだけど。『クレヨンしんちゃん』って吹き出し一つでそれ全部解決するの。で、何をするかっていうと「かくかくしかじか」っていうの

Taiyaki:あっはっは、はいはい

 あみん :誰かのキャラクターが「かくかくしかじか」って言って、で次の瞬間には全員なんか……

Taiyaki:もう分かってるんでしょ(笑)?

 あみん :もう分かって同じページにいる、On the same page*1 なの(笑)で、更にうまいのは、キャラクターの大人たちが「かくかくしかじか」って言ってる隣で、クレヨンしんちゃんが「マルマルうまうま」っていうんだけど、絶対。か、どっか誰か他のキャラクターが「漫画って便利だねー」っていうの。で、それが大事なの、「漫画って便利だねー」っていうのは、他の媒体だったら難しいテーマではあるから

Taiyaki:あり得ないよねー、だから映画の見せ方だよね。邦画は説明過剰なのが多いっていうのが一般認識だけど、ハリウッドはその中ではマシっていうか、日本の大作映画よりはよっぽど表現的には素晴らしんだけどさ

 あみん :まあ、バラエティはあるよね

Taiyaki:そうそうそうそう、だからやっぱ、しょうがないんだけどね。僕は今回の『名探偵ピカチュウ』を手掛けたロブ・レターマンって監督は結構好きなんだけど。前は『グースバンプス』って映画を撮って、そう考えると『グースバンプス』は児童小説文学と言うか子供向けホラー小説の映画化で、色んなホラーのモンスターが出てくるって映画だから、『名探偵ピカチュウ』に抜擢された理由は分かるし、ちゃんと大人の鑑賞にも耐えうる作品にもなってたからそこは良いんだけど、やっぱ子供映画を撮ってる人の癖として、説明するっていうのは出ちゃってたなと思ったけよね

 

 あみん :まあでも、そこは子供の視点は無視しちゃいけないよね

Taiyaki:まあね、今回も劇場でね子供がちっちゃい子がすごい喜んでたもんね

 あみん :かわいかったね。

Taiyaki:かわいかった。

 あみん :あのピカチュウが出てくる前に、ガタンとかなった時に、

Taiyaki:「あ、ピカチュウだ!」って(笑)

 あみん :俺より先に気付いてたもんね(笑)でもかわいかった

Taiyaki:そこはやっぱりアメリカの観客の、さらに子供の素直でいいとこだけど。

 あみん :でも一つ、映画館とかで観てると、このジョークにはアメリカ人は凄いここでバーッて皆笑うタイミングが一緒だったりするわけじゃない?でも必ずしも日本人が同じタイミングでワッとはならないでしょ?

Taiyaki:うん

 あみん :ここは絶対ワッとはならないだろうなって思ったのが、最後ライアン・レイノルズが出てきたときに、皆ワー!みたいなのになったじゃん。

Taiyaki:爆笑だったよね(笑)

 あみん :あれでも日本ではならないでしょ?

Taiyaki:でもどうだろう?日本ね、『デッドプール』が凄い人気だから、もしかしたらどうなってるか分からないけど

デッドプール (字幕版)
 

 

 あみん :でもさ、ずっと始終俺らはピカチュウライアン・レイノルズの声を聞いてて、最後それ生身の人間から聞こえてきて、まあちょっと声の質は違ってたんだけど、そこでウェーイ!ってなるわけじゃない?つまり、その映画観ながら積み重なってものがある訳でしょ?それが日本語版だとやっぱ違うから、

Taiyaki:でも、僕も元も子もない無粋なこと言うと、お父さんがライアン・レイノルズだったら、ずっとライアン・レイノルズの声で喋ってるピカチュウの事を最初から怪しいとは思わないかね?「あれ、お父さんの声じゃん?」みたいな

…確かに

Taiyaki:これは俺は終盤の方で思ってたんだけどね、めっちゃ無粋のことを言うと

 あみん :でも、お父さんのことはあんまよく知らないから

Taiyaki:まあね、小さいときに離れて

 あみん :そこは見逃そうぜ(笑)

Taiyaki:あれもまあ、ダイバーシティだよね。白人のお父さんと黒人のお父さんっていうのも。まあ、PC的って言うか、現代的って言うかね。

 あみん :押しつけがましくは無かったよね。

Taiyaki:な

 あみん :あとね、ダイバーシティの話で言うなら、まあ、主人公はもちろんそうなんだけど、主人公がいます、渡辺謙がいます、アジア人の中でもおばちゃんがいっぱいいますっていうのはもちろんそうなんだけど、俺が一番リスペクト感じたのはそこじゃないんだけどね。一番最初に、一番最初だよ?カラカラを捕まえるのどうのってなって時に、主人公のティムがいて、もう一人が中東系だったの

Taiyaki:あれインド系の有名な俳優だと思うんだけど、あ、『デッドプール』出てた!

 あみん :あ、本当?

Taiyaki:『デッドプール』のインド人ドライバー役の男の子

 

 

 あみん :ああ、あいつか!あいつか!分かんなかったわ!でもさ、ポケモンっていうビッグタイトルの映画で、一番最初に出てくる純粋な子供、子供って言うか21歳だったけど、少年二人が黒人とインド人だよ?

Taiyaki:確かにね

 あみん :凄くない?俺はそこはなんか、恐れなかったなって思ってる。勇気のある決断だったなぁと思ってる。

Taiyaki:だからやっぱさ、それはポケモンが作り出したものだと思うんだよね。ポケモンって世界共通言語になってるじゃない?世界中どこでも人気なものだからこそ、違和感なくできた部分っていうかさ

 あみん :そうね。まあタケシ黒人と日本人のハーフ説があるけどね。まあ、ないけどね、今思いついた(笑)

Taiyaki:酔いすぎだよ!でも今回は『名探偵ピカチュウ』っていうゲームの映画化だけどさ、元々、マックス・ランディス*2っていう凄い捻くれた脚本家がいるんだけど、そいつが一番最初にポケモンの実写化企画で脚本を書いた人なの。彼がツイッターで言ってたのは、「俺は本当はレッドっていう主人公が、ポケモンチャンピオンの自分の父親を探しに行くっていうストーリーを考えていた」らしいの

 あみん :ストーリー的には俺はそっちの方が好き

Taiyaki:つまり本当にゲーム通りジムリーダー倒してロケット団と戦ってってストーリーを考えてたんだって

 あみん :俺それの方が良かったストーリーは。割と普通でよかったと思うストーリーは。

Taiyaki:でも今回『名探偵ピカチュウ』を選んで正解だったのは、ポケモン側に喋らせたかったんだろうね

 あみん :大事大事

Taiyaki:だから、『名探偵ピカチュウ』を選ばざるを得なかったんだと思う

 あみん :映画とゲームの『名探偵ピカチュウ』のストーリー違うの?

Taiyaki:正直僕やったことないんだよね。僕はいつも本編のポケモンしかやったことないんだけど、でもウィキペディアとか読むと結構一緒らしい。ティムっていう男の子がいて、行方不明のお父さんを探しに、ピカチュウと一緒に

 あみんピカチュウがお父さんだったって結末も一緒?

Taiyaki:それはわかんない、正直わからん

 あみん :ちょっとそこさ、割とキー ポイントじゃない?

Taiyakiミュウツーがラスボスってとこまで一緒。だから結構原作準拠だとそこは思う

 あみん :そっかそっか

Taiyaki:原作で言うとさ、僕がもう一気に点数が跳ね上がったのはエンドロールなんだよね

 あみん :あれエンドロールマジよかった


▲流石にエンドタイトルはまだ上がってませんでしたが、この最高なテーマソングで我慢してください!

 

Taiyaki:トゥートゥトゥー♪つってポケモンのテーマが流れた時もテンションぶち上ったし、あの漫画調の絵も、きっとポケモン公式サイドの誰かなんだけど

 あみん :あれはもうさ、リスペクトとかいうレベルじゃないよね。原点ですっていう理解の表れだよね(笑)

Taiyaki:あそこの時点で、なんていうの?エンドロール直前っていうかさ、そこまでの段階では加点法でも80点、90点、とにかく100点いってなかったんだけど、エンドロールで「あ、もう500点」みたないなね(笑)

 あみん :あっはっは

Taiyaki:「はい、もう最高でーす」みたいな感じだったね

 あみん :そうだね

Taiyaki:あと、ハリウッドが日本の映画を実写化するときの問題点として日本語のフォントを知らない問題っていうのがあって、大抵『パシフィックリム』とかもそうだけど、フォントが超ダサいじゃん?今回『名探偵ピカチュウ』も劇中「きのみカフェみたいなのが出てきてその時のフォントも超ダサかったの。だけど、エンドロールはあれもう完璧だったから

 あみん :完璧だったね

Taiyaki:日本語のフォントとかもコロコロコミック調で、だからあれは完璧に日本に委託っていうかさ、なんかやらせたとも思うんだよね

 あみん :もう、お返ししますって感じだったね(笑)もうあなたたちの物です

Taiyaki:「現場からは以上です、スタジオにお貸ししまーす!」みたいなね

 あみん :そうそうそうそう、そういう感じだよね(笑)

Taiyaki:あれは最高でしたよ

 あみん :あれは最高だったね、凄く

 

第三部・完結編へ続く!

 

*1:直訳すると同じページにいる、転じて同じ考えを持っている、という意味のイディオム

*2:脚本家。代表作に『クロニクル』『エージェント・ウルトラ』『パワーレンジャー(2017)』など