やっぱり映像業界はネジが外れてるよ!

 いやー、ここのところ忙しいアピールをしてすみませんが、フリーランスになって以来一番忙しいかもしれません。今の現場で1ヶ月働くわけですが、幸いなことに僕がいる部署はいい人たちばかりでひとまず安心しました。が、労働形態はやはり映像業界安定の怒涛さで、もう逆に色々と諦めている部分もあるのですが、これはどうやったら変えられるのだろうと末端の立場から日々理想を夢想しております。

 

 で、ふとなんとなしに気になって、映画の制作部のことを調べてみたんです。制作部というのは、映画を撮影する際にロケハンしたり、許可申請したり、スタッフやキャストを運搬するための車両とそのドライバーを押さえたり、撮影のロジスティックを円滑に構築するために存在する部署なんですね。ありとあらゆることを扱うので、映像業界の中でも特に過酷に働かざるを得ないポジションだと思います。

 

 で、その制作部のことがよく分かるページを見つけたんですけど、これがまあちょっと、映像業界のブラックさを翼賛している内容でビックリした訳です。

 

 「制作部の仕事は1日25時間」と平然と書いていて、それを湿っぽく物語調に伝えるのもゾゾッとするのですが(しかもパワハラ描写あり)、その鬼畜なスケジュールを「やってみると楽しい」とまとめ、さらに「制作部で学ぶ内容は、社会的な本質の部分」にあたるため、「仮に制作部を辞めて他の仕事についたとしても大体の仕事は簡単にこなすことができ」るという、まさにやりがい搾取も甚だしいことが書かれているわけです。

 

 で、僕がどうしてこれを批判的に書いているかというと、この文章を書いているのが映画プロデューサーという、まさに制作部の労働環境を改善できる立場にいる人が書いているからなんですね。精神的にも肉体的にも大変なことをあたかも有意義なことに履き違えて楽しそうに文章を打っていることそのものがハラスメントで、そして映像業界のプロデューサーは基本的にこういう人が多いので、中々変わらないんだろうな〜と色々と考えさせられます。

 

 あ、ただ誤解なきように言っておきますと、今参加している現場では僕はまだ酷い目には全然あってないですし、今のところ楽しくやってますよ*1!また、今はもっと人権意識のあるプロデューサーさんも増えてきたと思います。ただ、依然として酷い状況が続いているのは事実なので、もう少しなんとかならないのかと、業界全体で考えていきたいところですね。それは即ち日本映画の質を上げることに必ずつながっていますので。

 

 

*1:そもそも今回は制作部じゃないですし