邦画を殺すバカがいる

 あくまで信憑性のない、また聞きの話として受け止めてほしいが、仲のいい現場スタッフから、某大手配信会社が日本オリジナルのコンテンツ作りを止める方針で動いているそうだと、いう話を聞いた。兼ねてから多額の制作費をかけて数々のコンテンツを作り出してきたのに、全くセールスがうまくいっていないからだ。

 

 この話を聞いて思い出したのが、先日読んだ以下の記事だ。

 

 この記事を要約すると、日本の悪習「中抜き」が日本の映像制作現場でも蔓延っていおり、せっかく海外の配信系会社が巨額の資金をコンテンツ制作に投資しても、どこぞのバカがピンハネするので、結局現場レベルでは民放や邦画のような低予算しか入ってこず、スタッフは疲弊し作品のクオリティは下がるばかり、というものだ。

 

 冒頭の話に戻ると、そりゃいくら金かけたって「どこぞのバカ」のせいでいつまで経ってもいい作品が生み出せず、視聴者も離れていっているんだったら、企業としてはコンテンツ作りから手を引くのは当然だろう。また、実際に現場レベルで聞いた噂話だが、外資系配信会社がコンプライアンスに力を入れようと、結局外注に外注が重なるせいで現場の労働環境はまるで変わっていない、という話もよく聞く。コンテンツの数が増えていく一方で、辛い現場に耐えきれず若手がどんどん辞めていくため、深刻なスタッフ不足に悩むプロデューサーの愚痴もこの間聞いたばかりだ。

 

 クールジャパン機構もそうだったが、この「どこぞのバカ」が己の私欲のために金を掻っ払っていく為に、日本の映像業界がどんどん世界から置いていかれていると思うと、本当に悔しくて憎くてたまらない。『ドライブ・マイ・カー』がアカデミー賞に選ばれた!で喜んでいる場合じゃないんだよ、本当に。