コロナ療養期vol5〜そろそろ気が狂いそう〜

  • 昨日と同じく、もうほぼ完治。夜になると咳が少し始まるが、肺が弱かった子供の時も夜になると咳をする時があったので、むしろ懐かしい感じ。
  • 療養所に持っていかなかったことを後悔したのは甘いものだ。いや、本当は差し入れなどで多くの甘味料をいただいていたが、ホテルを移るにあたり荷物になると思い、直前に大急ぎで食べてしまったのだ。これが大失敗で、療養所ではほとんど甘いものがなく、飲み物もお茶オンリー。
  • 療養所で一晩明けて知ったのが、朝食の時だけゼリーと紙パックのオレンジジュースだけついてくるが、ただでさえ甘党なので1日の糖分がこれだけでは持たない。明日からは朝食をそのまま全部食べるのではなく、後々の為に冷蔵庫に保存しておこう。……なんか留置所で知恵を絞り出しているみたいだなぁ。
  • 基本的に部屋から出ることは許されず、唯一の部屋から出れるのは食事の時間に弁当箱をとりにエレベーター前に取りに行く時と、一階までゴミを捨てに行く時だけだ。しかも好きなタイミングで行ける訳ではなく、厳しく時間が制限されている。
  • 実は健康に気を使って2ヶ月前からジム通いを始めたのだが、部屋が狭すぎて筋トレも出来ない。療養所生活で唯一の楽しみな時間は、前述の僅かに許された部屋から外への「数歩」の往復である。本当に囚人じゃないか!
  • さらに極め付けは、ホテル内のアナウンスで、毎日定刻に健康状態入力のお知らせと食事の時間、そしてスタッフの館内移動(するから絶対に外に出るなと言う牽制)のお知らせが結構な音量で流れてくるので、あまり休まらない。なお、僕は中高時代を中々に厳しい全寮制の学校で過ごしていた時があり、冗談で「ホグワーツに通いたかったらアズカバンだったんですよ!」なんて言っていたが、今の生活の方がアズカバンっぽい。
  • とまあ、ここまで愚痴を書いているが、何も行政もスタッフも我々陽性者を苦しめたくてやっていることではないことは百も承知で、11階まであるホテルの全部屋に泊まっている患者を診察している看護師やお医者さんには頭が上がらない。コロナというのはここまでしないと感染を防げない、ということなんだろうけれども、肝心のコロナの症状が治まっている手前、この隔離生活は中々に精神的に孤独で参る。入所2日目でこれですからね。
  • あ、でも一個行政に肝心な愚痴を言いたいのが、僕は前のホテルにた時から今の療養所に移るまで、全く同じ質問を何度も何度も聞かれるのは理解できなかった。僕の発症日はいつだったか、僕が発症した時はどういう症状だったか、濃厚接触者は誰なのか…等々を、検査結果を伝えたクリニックの先生、保健所の人、保健所の別の人、そして療養所の看護師に一から全部説明しないといけないのはあまりにも時間の無駄だったし、咳が酷かった初期の方は体力的にキツかった。
  • そもそも厚生労働省がHER-SYSにこれらの質問を全て記入しろって言われたから全部登録したのに、改めて毎回聞かれる意味がわからない。これは僕だけの問題じゃなくて、データとして全て共有できていれば、保健所や医療機関の負担をそれだけで減らせるじゃないか。これを陽性者全員に全てのスタッフが聞いていると思うと可哀想だし馬鹿馬鹿しい。
  • まあネガティブなことばかり書いてもアレなんで、楽しんでいることを書きますが、『ブレイキング・バッド』シーズン2まで観終わりました。ウォルターが犯罪に手を染めていくにつれてドンドン悪人になっていく様や、普段通りに日常生活をおこなっていく上でどうアリバイを成立させていくかの駆け引きに『デスノート』を連想しましたね。調べたら結構『ブレイキング・バッド』と『デスノート』の類似性を指摘している人が英語圏でも日本語圏でもいて興味深かったです。そしてそんな事を調べていると、ネタバレを踏んでしまってちょっと萎えてしまいましたが、それでもやはりプロセスの積み重ねが面白すぎるので今のところはお釣りが出るくらい楽しんでいます。僕も療養所を出る頃にウォルターみたいなトンデモない悪人顔になっているかもしれません。