クソ曲「トゥトゥヌトゥタン」の謎を追え!

 コロナ禍以降、確実に言えるのはYouTubeを始めとしたSNSで流れてくる広告のクオリティが著しく低くなったことである。不愉快な性差別的なストーリーを展開するクソ漫画、ルッキズムを煽る脱毛のCM、あからさまに日本語のおかしいゲームのCM…。どれもこれも超絶イライラさせるものばかりで、大手広告代理店が作るつまらない白犬のCMとかが映像製品としてどれだけマシなものだったかが思い知らされる。

 

 そんな中、最近悔しいことに頭から離れないCMがある。犬が蜂に刺されないように図形を描いて守るクソゲーの広告である。皆さんも一度はどこかで見かけたことがあるのではないだろうか。

 

 意味のわからないゲーム性、「なんでそうなるんだよ!」と見てて突っ込みたくなる悪手、チープな作り、そして耳触りの悪すぎる「トゥトゥヌトゥタン」の謎のフレーズが繰り返される曲…。スキップボタンが表示されたら連打したくなるくらい不愉快指数MAXな広告である。

 

 しかし、この広告が妙に頭に残ってしまうのは、まさしく「トゥトゥヌトゥタン」の曲の中毒性の高さである。あの甲高い声が本当にイライラするのだが、語呂がいいのか印象に残りやすく、油断すると脳内ループ再生されてしまう。偏見だが、だいたいこういうゲームは中国とかロシアの会社が粗製濫造しているイメージがあるが、この曲は中国語にもロシア語にも聴こえない。一体どこの国のなんという曲なのか…。

 

 という悔しくも気になる疑問を長いこと抱き続けて数ヶ月。ついに見つけたのである

 

 元曲はベトナムの「À THẾ LÀM SAO MÀ À」という曲だ。この曲のコメント欄を見ると、僕と同じようにこの曲を探し求めた可哀想な亡者が世界中から集まっていた。どうやら世界規模で流れている広告のようで、皆この中毒性のある曲にやられてしまったようだ。

▲「ここまで時間をかけて探し当てた自分を誇りに思うと同時に恥ずかしい」「ここまで辿り着いた諸君、おめでとう。君の旅路はここまでだ」「この曲は腹立たしいのに、不思議と同時に中毒的で満足させるものでもある」と世界中からコメントが集まっていた

 

 で、僕はここに辿り着くまででは飽き足らず、そもそも「トゥトゥヌトゥタン」は何を歌っているのかが気になってしまった。コメント欄を更に深く漁ってみると、どうもこの曲はベトナムミームと化した、少年二人の喧嘩している動画をどっかの物好きがサンプリングしたものであり、ベトナムの一部ネット界隈で流行しているようだ。

 ここまで調べて、ようやく僕のクソみたいな知的好奇心が満たされた。インターネットの海は深い。情報の量に溺れてしまいそうになるが、こんなしょうもないことで溺れたくはない…。また無駄な時間を過ごしてしまった。

 

▲オチとしてこのアフィリエイトを貼って今更ながら気付いたが、なぜ柴犬が蜂に刺されるのかが不死でしょうがなかったけど、もしかして「HACHI」と「蜂」をかけている…!?