何が暴力を駆り立てたのか

 選挙の街頭演説という、民主主義の根幹である場で暴力という手段で訴えかける行動は絶対に許されるべきものではない。僕の政治的思想は自民党や岸田政権とは対極にあるものだとしても、去年の夏の悲劇が繰り返されなかったことは本当に良かったと思う、ということは大前提の話としてだ。

 

 「平和」とされている日本で、こういった事件が立て続けに起きているのは、究極は政治の失敗だと言わざるを得ない。このような大胆なテロ行動に若者を向かわせた閉塞感や社会的プレッシャーはどこから生まれてきたのか。容疑者を日本国内でも「稀」な危険人物だと断罪するのは簡単だ。何が暴力的衝動を駆り立てたのか、それを分析し解決しなければ、弱者を切り捨てる世の中ではまたこういったテロ事件は起きるだろう。