子の可能性を生かすも殺すも親

 このニュースが目に入りましてね。

 

 そういえば、最近なぜか教育虐待の結果母親を殺した看護師のドキュメントを見たばかりでしてね。

 

 実は、僕の学校は医者の子供が多く通っていたんですけど、大体どの家も自分のクリニックを継いで欲しいので当然子供が医学部に入ることを所望していました。ただ、正直頭のいい学校でもなく、大概の子供もやる気がないので医学部を受けるほどの学力もないのですが、それでも親に勉学を押し付けられて強制的に浪人させられている友達はいっぱいいました。

 

 特に、僕の友人の一人は漫画家になるのが夢で、何もみなくても『風の谷のナウシカ』に出てくる王蟲を落書きできるというトンデモない画力と才能を持っていたのですが、彼も母親の教育虐待に苦しめられて2浪を押し付けられました。なんとか医学部には入れましたが、そこで燃え尽きてしまい留年を重ねて退学になってしまいました。

 

 しかし彼は漫画家の夢は捨てず、商業誌にも作品が掲載されるほどでしたが、やはり母親はせめて歯医者に放ってくれと、今度は歯学部に入れさせられました。が、今度は彼の決意は固く、無事に無駄な大学も辞めて今ではイラストレーターとしてお金をもらって立派に生きています。

 

 彼の場合はなんとか抜け出せて良かったですが、彼がこの10年で失った時間を思うとやるせない気持ちにもなります。やりたくもない受験勉強や医学の勉強の時間を絵に割いていれば、彼は今頃さらに上達して大ヒット漫画作家にだってなっていたかもしれません。

 

 先ほどあげた、看護師の例は極端ではありますが、誰でもこうなってもおかしくありません。もちろん、最初は親も子供を思って始まったことかもしれませんが、自分が子供に与えているプレッシャーは果たして子供のためになっているのか、今一度自分に問い直した方がいいかもしれません。