差別的な意識は伝わるよ、って話

 今回の現場はヨーロッパ系の映画で、非英語圏のスタッフと働いている。そうなってくるとコミュニケーションの問題がどうしても発生する訳で、お互いにストレスを感じる。で、この時に僕がほんのりと感じるのは「このアジア人、何も分かってない」という海外スタッフの差別意識である。

 

 考えすぎと言われればそれまでかもしれないが、例えば話し方だったり、ため息のつき方などの細かい所作、酷い時には明らかに無視したり、「自分の立場が上」という意識が漏れ出ているのが伝わる。そしてそれは僕がアメリカでたまに遭遇する嫌な態度でもあった。

 

 でも、誤解ないように強調しておきたいのは、それ以上に素晴らしいスタッフのほうが多い。中には日本のスタッフ以上に優しくて、ちょっと撮影で疲れた時は敢えて話しかけに行って癒しをもらえる人もいる。いつかまた一緒に働きたいなと思う人たちばかりだ。

 

 だからこそ、そう言う「よくない」態度というのは伝わってしまうよ、って言う話。これは「僕は差別の被害者」ってだけで終わらせる話だけではなく、例えば僕たち自身が街で働いている外国人労働者などに対して気をつけなきゃいけない態度でもある。