できねーもんはできねー!

 今日もナイター撮影(現在朝4:20)で大変ストレスが溜まっておりまして、更に今日の撮影が終わっても15:00には東京出発とかいうスケジュール作ったやつをブン殴りたい日程なんですが、その上で現場に負荷を加えているのが監督が相変わらず直前になって注文を加えてくるからなんですね。小道具にあれを追加しろとか、衣装変えろとか、打ち合わせで決まっていたものが全てひっくり返っているので、現場のスタッフは振り回されているのです。

 

 これは日本人スタッフの良いところでもあり、悪いところでもあるのですが、そうした監督のワガママ全てに愚痴を言いながらも叶えてしまうんですね。死ぬほど奔走してなんとか監督のビジョンを実現してあげてるのですが、肝心の監督にはその「奔走」は見えておらず、「言えばできんじゃん」くらいにしか思ってないんですよ。

 

 で、僕の今の仕事は2nd ADでして、キャストの衣装やヘアメイクを管轄しているのですが、キャストを着替えさせて現場に連れて行ったら「違う服の方がいいから、着替えさせて」と言われたんですね。キャストを着替えさせる支度場と現場は歩いて5分ほど離れており、撮影がいざ始まるという中で往復10分、着替え入れての15分は現実的なオプションではないです。

 

 また衣装部も突然の変更にカンカンで、監督が着替えて欲しいと言った衣装がそもそも用意されていません。僕も自分の仕事に墨がつかられたようで若干イラッとしたので、「そんな服はないし、用意できない」と言ったんです。そうしたら「OK、しょうがないからこれで行くしかない」とスンナリと引き下がってくれました。僕が海外の現場の好きなところはこういう所で、ADでも監督に平等な立場で物を言えるんですね。というか、ノーなものはノーと言わないと、逆にワガママが通用しちゃうものと思われてしまうので、こういうハッキリとした意思表示は大事だと思いました。日本の現場だったら逆にこっちがボコボコに怒られていたかもしれませんが…。