『式日』に吐き、『ラブ&ポップ』に震えた

 最近Twitterに観た映画の感想を書かないでブログに先行して書くことが多いですが、今日は早稲田松竹で『式日』と『ラブ&ポップ』の庵野秀明2本立てを観ましたね。どちらも観たことがなかったんですよ。

 

 『式日』は僕の庵野秀明監督の嫌いな部分が凝縮されている作品で、アートにしてもあまりにも独りよがりだし、女性の描き方も稚拙でオタクの理想な彼女って感じで、マジでキモいと思ってしまいました。上映中にスマホ弄ってる奴は○ね!と常々思っている僕が、スマホをいじりたくなる衝動に駆られるくらい退屈でした。(実際にはいじってないですよ!)

 

 一方で『ラブ&ポップ』は僕が庵野秀明監督の大好きな部分が濃縮されている作品で、全編デジカメを用いて昔のAVみたいなチープな撮影をしているのにアングルが一々野心的で、かなり実験的な作品なのにストレートで分かりやすく、奇抜かつ清々しいエンディングの『あの、素晴らしい愛をもう一度』の使い方なんかはセンスが天才的すぎて鳥肌が立ちました。

 

 今「昔のAVみたい」と書いたんですけど、『式日』の苦手な部分もまさに「AVっぽさ」で、藤谷文子演じる女がメンヘラ*1で幼児退行していて、男がついていないとどうしようもないという、AVに出てきそうなくらい都合が良い描かれ方をしています。庵野秀明は『ラブ&ポップ』のメイキングにカンパニー松尾バクシーシ山下が参加していたり、平野勝之の『監督失格』のプロデュースを行なっていたり、意外とAVと接点が多いですね。

 

 AVは低予算だからこそ斬新な撮影手法が許されるジャンルだと思いますが、庵野秀明監督も近年のビッグバジェットの作品で誰も観たことがない映像を作ろうとするも慣習的な制作現場との間で苦悩する様子がドキュメンタリーなどで度々見受けられますが、実は一番AV的な撮影が合っているのかもしれませんね。

 

 あ、ただ、『ラブ&ポップ』は面白かったですけど、女子高生の足の間からのショットとか、パンツがギリギリ見えそうなローアングルとか、女子高生の胸越しの援交おじさんの構図とか、いくらなんでもキモいショットはいくつかありました。『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』でもわざわざアスカの股間とか胸を強調するカットがありましたけど、これが実写でしかも未成年の役者を相手に同じことをするのはやっぱりキモいですよ!

 

 

 

*1:しかもセリフがいちいち臭くて「作られた」メンヘラ、って感じなのが余計に観ててきつかったですね…