このブログで度々紹介しているコミック・ラッパーのリル・ディッキーが新作アルバムの『PENITH』をリリースしました。デビューアルバム『Professional Rapper』から実に9年ぶりのアルバムであります。
新アルバムとは言え、ほとんどがリル・ディッキーが主演している傑作ドラマシリーズ『デイブ』で披露された楽曲ばかりのサウンドトラックとなっています。タイトルの『PENITH』も実際にリル・ディッキーが『デイブ』の中で発表したアルバムから取られています。そういう意味では新曲がないのはちょっと寂しいですが、このリリースに合わせて新MVをわざわざ撮っている辺り気合が入っています。
そしてその新MVが『ダークナイト』のジョーカーを明らかに意識しているんですね!
リル・ディッキーの明日発表予定の新MV告知映像、めっちゃ『ダークナイト』!今日日ヒース・レジャーのジョーカーの真似はちょっもダサいはずなのに、コミックラップを追求してきたリル・ディッキーだがら期待込めてニコニコ見れちゃうズルい!https://t.co/3ixliyYNwy pic.twitter.com/3X0CLw8NmN
— Taiyaki (@HKtaiyaki) 2024年1月19日
全部ドラマで聞いていた曲ですが、これまで彼女の元カノのチンコが大きいだとかピロートークで賢者タイムのために話が変な方向に進むラップを歌っていたのと比べると、大分メンタル的に大人になったなぁと思います。例えば、僕が一番掴まれた曲は『Going Gray』という曲で、サビに「まだ子どもなのに年取っていく」とある通り30代も半ばに入ったリル・ディッキーが大人になった実感がないのに年齢だけ重ねていく切なさを歌った曲です。「(年老いた)両親を見てくれ、死んじゃ嫌だよ 人生をどう生きればいいか、誰が教えてくれるの?」なんてもう僕らミレニアル世代の30代は共感しまくりなんじゃないでしょうか?
ちょっと逆説的ですが、己の未熟さを歌えるくらいリル・ディッキーの成熟を感じさせる歌ばかり収録されています。…いや、でもやっぱりチンコを歌った歌も入ってるし、アルバムのタイトルがチンコだもん、リル・ディッキーはやっぱりまだ感覚が子供だな!
これを機にリル・ディッキーが気になった人は、是非ディズニー+で配信中の『デイブ』を観てください。傑作です!