アフリカのスラムに行ってきたのである。

 本日はナミビアのスラム街にお邪魔する機会があったのですが、本当に色々と考えさせられましてね。

 

 砂だらけの土地に政府から与えられた区画で、木の杭で柵を作り、稼いだ日銭でトタンを買い集めて繋げて壁や天井を作り、そこに8人家族で暮らしているわけです。トイレなどはトタンを四方に囲っているだけで、天井すらありません。庭には拾ってきたタイヤに土を埋めて植木鉢みたいなものを作って植物を育てていたり、作ったベンチを置いたり、あるだけの資源でデコレーションを施して家を作っているのが印象的でした。

 

 こうしたトタン作りの家が並ぶ地域からほんの数百メートル離れると、今度はレンガでできた家が並びます。こちらの家も砂だらけで万全のお家とは言えませんが、テレビのアンテナがついていたり、頑丈なゲートがあったり、明らかにトタンで作られた家達よりも裕福な暮らしをしている地域なのは明らかです。首都のウィントフックやオチワロンゴなどの都市部まで行けば西洋風の家が並んで徐々にグレードアップしていくのがわかりますが、貧富の差が視覚的に見えてしまうんです。

 

 月並みな表現ですが、日本に生まれた時点でどれだけ恵まれているんだろう、と考えさせられます。もちろん日本の政治や経済状況には決して満足していませんが、それでも99.997%の国民が水道熱電気インターネットが通り、清潔感がありしっかりとした扉と床がある家で寝られている時点で、そんな問題点は先進国民の贅沢な悩みにも思えてきます。

 

 ただ、アフリカのスラムを見て「かわいそう」といった感情を持ってしまうのもまた先進国民の上から目線にも思えました。タイヤで作られた植木鉢や、木の下に置かれたベンチ、犬や猫を住まわせたりなど、限られたもので生活を楽しもうとする知恵や工夫があり、笑顔で遊んでいる子どもたちを見て人間の逞しさを感じたのでした。