ナミビアに巣食う中国の影

 ナミビア渡航中、感心したのは現地スタッフの知識量だった。見たことがない動物を聞けば名前をすぐ言えるし、植物も知ってるし、車で通り過ぎた施設がどういう場所か、全部答えられる。逆にもし自分が日本で海外から来た仕事先の人間に聞かれたことを全部答えられるか自信がない。

 

 中でも興味深かったのは、どの鉱山がどの国に採掘されているか全て言い当てることができる。そして、そのほとんどに中国が絡んでいる。あるウラン採掘場を通り過ぎた時、中国の旗がなびいており、ドライバーは嫌中感情を隠さなかった。

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 ニュースでもよく見るが、アフリカ諸国の中国の影響力は絶大だ。例えば、ナミビアのドライバーから聞いた話では、ナミビアの海岸に中国が港の建設を行う。ハッキリ言ってナミビアには必要のない海岸だが、中国は勝手にやってきて、法外なローンで建設してしまうという。返済期間が来てナミビア政府が払えないと分かると、その港を差し押さえてしまうのだ。

 

 こうして借金を強要し、アフリカに眠る豊富な資源を中国が採っていく。高利貸しと一緒で、怖いのはウランの工場で、これが行き着く先は核兵器の生産だろう。国際社会でも、中国に足並みを揃えようとするアフリカ諸国が多いのはこのためだ。

 

 中国のやり方は横暴だが、アフリカに手を差し出さなかった欧米諸国の問題でもある。自分の国の豊かさにかまけていたツケを今払わされているのである。